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『ぼくはトラック運転手さんでちゅ』は、今回の第81話で一旦クローズ

『ぼくはトラック運転手さんでちゅ』は、今回の第81話で一旦クローズにしようかと。

というのも...、今回でストーリー的に一区切りついたような気がします。
特に心境の変化もないし、ネタやシーンもまだいろいろと浮かんできますが、まぁ、とりあえず、ね。

◆◆◆作成後記◆◆◆◆◆◆◆◆

全体のストーリーは当初から概ね頭の中にありました。創作にあたっては、
まず、『ぼくはトラック運転手さんでちゅ』っていう主人公の人物設定をはずさないようにトラックの機能や構造を話のシーンに活かしたり、仕事で行く地方の光景を描写したり...、っていう軸は通した上で、ぼく自身の小さい頃からの実体験や空想(妄想?)も織り込むっていうルールは常に意識しました。
ストーリーの中では、第2話に登場する「田舎のおばあちゃん」が、その後のミラクルな展開につながるゴッドマザー的な存在として設定しています。
そして、主人公ゆうやが行く先々で偶然(?)出逢う女性と『おむつ』を通したエピソードを繰り広げながら、最後には企業のトップからイメージキャラクターとしてのオファーを受ける...なんていうオチでまとめたんですが、実は、この多くの偶然だと思っていた出会いがおばあちゃんや秘書さんの策略だった...。これは各場面で微妙な表現の中に隠したつもりですが、読者の皆さんに伝わったかどうか。

でもね、創作当初はこんなに長々と(だらだらと)続けるつもりではありませんでした。月に一話づつ進めて半年くらいで終わらせるつもりだったんです。
それが、書き始めてみると、『おむつ』の、うれしい、恥ずかしい、快感、懐古、郷愁...、みたいな面をいろいろなエピソードに織り込んでいくうちに、どんどん登場人物は増えるし、おもらしやおむつ交換のシチュエーションも、トラックの中、洋品店内、屋外、宿舎、飛行機の機内、病院、レストラン、博物館、等々、脈絡なく広がって数十話にも達して自分でも収拾しきれないほどになったんです。
なので、途中、ゆうやを取り巻く人々の関連を系図にしたりして頭の整理しながら進めました。(文末に添付してあります)

ストーリーの中では、懐古についてはやはりぼくの育った時代が影響してますね。
第31話の病院の屋上に干してあったたくさんのおむつの光景とか、
第52話からの『昭和懐古庵むつき別館』の展示施設を通して、映画『三丁目の夕日』のような昭和の佳い時代のイメージを膨らませて描写してみたり、割烹着の似合う良妻賢母を絵に描いたようなお母さん(高松さん)の凛とした清楚なイメージを映して、ぼくの幼年時代の記憶を絵画的に表現できたらと思って書き進めましたが、どうしても表現が稚拙になってしまうのは文才の足りないところです。

また、全編に共通するイメージは、『大きな赤ちゃん』というある種特殊な性癖をあくまでソフトに淡い淡い雰囲気で伝えるように心がけたつもりですが、少なからず各所に妄想が入ってストレートな描写の方向に脱線してしまいました。すみません。
これは、パソコンに向かって書いている最中でも、視線を下げると股間のおむつやおむつカバーが常に見える状態が影響したのかもしれません。時には、左手がホックをはずしたおむつカバーの中に入っていて...っていうこともあったような。

更に、『おむつ』の子細についてはぼくの愛用者(笑)としての実体験をもとに、
・おむつのぬくもり、
・おむつがとれない赤ちゃんとして扱われるような恥ずかしさやうれしさ、
・おむつをしている容姿自体の恥ずかしさや可愛らしさ、
・おむつへおもらしする時の濡れていく感触、
・おむつ交換の時の恥ずかしさ気持ちよさ、
などなど、かなり主観的な(自己満足的な)描写が入ってしまいました。
また、ベビーアイテムも、主役のおむつやおむつカバーの感触や匂い、スナップホックの音までぼくの主観で表現しました。また、ロンパースやよだれかけなどの衣装から哺乳瓶も揃えて、大きな赤ちゃんの世界をイメージできるようにしたつもりですが、イラストや挿絵がなかったので、わかる人にはわかる...的な、描写だったかもしれませんね。

とはいえ、2007年3月から始めて6年間。当初はそこそこのペースで書いていたものの、途中で中だるみがあったりするたびに、みなさんから応援をいただきながらマイペースで続けられました。いただいたコメントは数え切れず、また、メールもでそれを上回る件数の応援をいただきました。ありがとうございます。それに加え、このメールがきっかけでお知り合いになれた方々も多く、リアルな親交につながったのがほんとうれしいです。

でも、最終回に近付くほど書くペースが落ちてきたのが自分でもずっと気になっていました。最近目がかなり疲れやすくなってパソコンに向かう時間を制限したこともありますが、それよりも終わること自体への葛藤や自分の気持ちとの抵抗感が徐々に増してきたからだと思います。

今後は、このダラダラに一旦終止符を打って、ぼくの頭を整理してから次作を考えたいと思います。なので、この先、同シリーズの『続、ぼくはトラック運転手さんでちゅ...』となるのか、全く違うタイトルになるのかは未定です。
たとえば、ハリウッド映画の『スターウォーズ』が途中からエピソードを一気に前半生に戻して主人公のスカイウォーカーの生い立ちからリリースし直したように、一旦ぼくの子供の頃から自伝的に書くのもいいかなって思ってみたりも。まぁ、映画のように器用にはいきませんが...。
いずれにしても、たぶん、もっとショートショートになるような気がします。

というこで、
重ね重ね、こんなぼくの稚拙な文面におつきあいいただきありがとうございました。
END

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
<参考>
ゆうやを取り巻く人々の関連(系図):サムネイルを左クリックすると拡大します。
P6291447T1800TR1200.jpg

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ぼくはトラック運転手さんでちゅ(第81話)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ぼくはトラック運転手さんでちゅ』
「第81話.健康診断(その21);ハッピーエンド」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

さすがに鈍いぼくも、いよいよ話が核心に触れようとしてきたのがわかりました。

「それはなぁ...、あ、沙耶香ちゃん、うまく説明してくれるかやぁ。『センセイ』の面倒をみる時間だでね」
「はい」
秘書さんは、まるで打ち合わせ済みっていう様子で時計をチラッと見ると、おばあちゃんの立つ方向に視線を向けました。
(...)

おばあちゃんは白い割烹着を直しながらソファーから奥のほうへ。一番奥の書棚の横にドアがありました。
(まだ奥に部屋があるんだ...)
そして一旦こちらをチラッと見ると、ドアを大きく開けました。

(えっ...!)

見えちゃったんです、その部屋の一角が。
ぼくはなんとも言えない違和感を覚えました。

(ピンク...?)

明るい陽の差し込むその部屋の壁紙の色は、ぼくたちのいる格調の高い院長室の雰囲気とは全く違うものでした。
しかも、ぼくの座っている角度からは全体は見えないものの、たんすの上にはぬいぐるみがたくさんだし木の柵の付いた何かまで。

おばあちゃんは、まるでぼくがその部屋の様子を察したのを確認するかのように軽く微笑むと、中へ入って行きました。

(子供部屋?いや、ベビー...)

「あ、院長センセイはそろそろお目覚めなの。いつも午後のこの時間まであの休憩室でお昼寝されて、その後で回診に行かれるか会合に出かけられるか。お忙しい方だから少しの休養ね」と秘書さん。あたかもぼくが結論を出そうとするのを妨げるような切り出しです。
そして、
「あ、普段はおっきする時には私か奥様の由貴さんがお世話に入ってね、...交換とか、きれいキレイしてあげるのよ。今日は名誉会長がみえてるから直々にね。やっぱりお母さんのほうがいいみたい」

「...」
ぼくは『おっき』とか『お世話』とか、健常な大人には似つかわしくない単語の響きに琴線を触れられつつ、閉じられたドアの中の様子を想像しました。

(あの木の柵の付いたのはベッドだよな...、ベビー用?...いや)
更に、『...交換』とか『きれいキレイ』とか、疑う余地がありません。

(おむつ...だな)

間違いないですよね。これまで出会ったファミリーみんながそうだったんですから。

「それでは私から背景を説明しますね。あとから院長センセイもみえると思うけど...」と秘書さんは続けます。
「えーと、今の神尾ファミリーは、ここ名古屋と青森の病院経営が中心なんだけど...、なほちゃんのお父さんの河井睦夫さんは衣料品製造会社を経営されてるし、私の叔父の衣料品販売会社もあるでしょう。小林さんのところは運送会社経営だし、タエさんの娘さんの旦那さんの葉山さんは広告宣伝業なのよ。私の実家の昭和懐古庵とかを関連テーマパークのように仕立てちゃえば...。ねっ、これだけ揃ってきたら、事業のスキームを整理統合して、もっと効率よく収益を上げるための複合企業体ができるんじゃないかって考えたの」

(...なんだかスケールの大きな話しになってきたぞ...)

ぼくは次から次に並べられた業種をイメージするだけで精一杯、その複合って言われても...。
秘書さんは、ぼくの頭の上に『?』がいくつも立っているのを察して、

「無理もないわね。いきなり細かい説明でごめんなさい。例えば、ベビーからシニア用までのファッショナブルな衣料品をメインにして、『大きな赤ちゃん』のための用品とかまでも扱う総合衣料産業とか、通販と対面販売を両立させたアンテナショップの展開とか、病院に併設した売店もリニューアルしたいわね。そしてその商品を効率よく配送するシステムも重要になってくるでしょう...」

秘書さんの頭の中には既に事業のアウトラインが組み立てられているんでしょうが、ぼくの理解はまだそこまでついていけません。

すると、横からなほちゃんも、
「あ、私が市場調査した結果でも、紙おむつの出荷額は去年くらいからベビー用よりも大人用のほうが多いの、おむつは大人のものなのよ。特に、その中でも潜在的な『大きな赤ちゃん』の市場が無視できないことは、ゆうやちゃんも察しているでしょう。それに、最近では布おむつの生地は木綿の浴衣地の『お下がり』だけじゃなくて、おむつ専用に織られた生地が出回ってるし、おむつカバーだって大手のあのメーカーがスナップホック式をホームページに復活させたり...」
と、なほちゃんも補足します。

「うん...」

二人は一生懸命説明してくれますが、神尾ファミリーの経営の話しや市場のことばかり。そこからは、そもそも

『ぼくと何の関係があるのか』、『何でぼくはここにいるのか』

っていう疑問に答えてくれてないんですね。

ぼくは、その思いをぶつけようと、
「でね...、そのぉ、ぼくは...」
「ん?あ、なに?ゆうやちゃん」
「うん、ぼくには事業とか経営とか難しいことはよくわからないけど、もっとわからないのは...」
その時、奥のドアが開いておばあちゃんが顔を出しました。

「あ、沙耶香ちゃん、ちょっと手貸してくれるかやぁ」
「はい、今行きます」
秘書さんはサッと立ち上がると、ぼくとなほちゃんのほうを見て、
「ちょっと待っててね。あ、なほちゃんの分かる範囲で説明しててもらってもいいから」と言って秘書さんはおばあちゃんのほうへ。

なほちゃんは、ぼくのほうを見て肩をすくめます。そして、
「やっぱり一人じゃ大変よね。本当の赤ちゃんなら左手だけでひょいってアンヨ高い高~いできるけど、センセイは大柄で重いから...」
「そ、そうだね、あはは...」
ほくは実際の状況がわからないままあいまいに応えました。
「だけど、センセイってね、あの部屋にいる時は私が言うのもなんだけどすっごくかわいいのよぉ」
「...」
「おむつしてロンパース着てベビーベッドでネンネしてるの。ゆうやちゃんとおんなじね。でも、あの部屋から一歩出ると、急に偉いお医者さんに見えるから不思議よ」
「...」

やっぱりそうでした。想像通りっていうか、ここまできたら確定のシチュエーションですけど、ストレートに言われるとやっとモヤモヤが晴れるっていうか。

「でね、平日は忙しいからそこの小部屋で我慢してるみたいだけど、週末で『あの』お部屋が空いているときは、一日ずっと赤ちゃんでいるの」
「『あの』部屋って...、さっきぼくも入れてもらったあの『特別室』?」
「そうよ、あの矮小空間っていうか身も心も赤ちゃんに戻れるような環境を構想したのもセンセイ自身だし...。入れ替わり立ち代り私たちスタッフにおむつ替えてもらって幸せそうにしてるわ」
「ふーん...」
「ここの『トクショウ』っていうシステムを事業化したのもセンセイだし。各界の人や芸能人までコネを作ってはこっそり売り込んでるの。けっこうヤリ手っていうか、そのこだわりの強さは並じゃないわね」

ぼくは、院長先生の人物像を想像しました。確かに、自身が『大きな赤ちゃん』だからこそ、夢を持ってその夢を叶えるためにいろんなことを考えて...。

「だけどぉ...、もうけっこうの年だし、65歳かな。息子の副院長センセイは病弱であまり外に出られないし...事務方みたいなお仕事ばかりやって...、副院長っていうのも肩書きだけなのよ」
「...」
「ねっ、だから、大きな赤ちゃんへのこだわりが強くて、みんなから好かれるような人材を前面に立ててね、経営を進めて行こうと...」
なほちゃんは、これまでの女の子っていう感じから、秘書さんみたいな賢さをにじませました。でもぼくは、あいかわらずの鈍さで、
「ふーん...、でもそんな人ってなかなか見つからないんじゃない?」

「...」なほちゃんは、何も言わずにじっとぼくを見つめました。

(...それってまさか...)

「ここにいるじゃない、ゆうやちゃん」

「えっ?、ぼくが?」
「そうよ、ゆうやちゃんよ。ゆうやちゃんなら、その役目にぴったりだって」
「ちょちょっと待ってよ、ぼくは経営なんて」
「なんで?、ゆうやちゃんは『大きな赤ちゃん』でしょう、それにぃ、会う人みんながいい子だって、すごくかわいいって、言ってるわよ。ゆうやちゃんのアパートのお部屋見せてもらった時も完全にベビールームにしてたじゃない。そして、『ここが』、なほちゃんは、ぼくの股間を手でさすりました。
「あ、いや、だけどぉ、それと経営ってつながらないしぃ」
「大丈夫よ、経営自体は副院長や沙耶香さんたちが実質やってくれるし、ゆうやちゃんはイメージキャラクターっていうか、対外的な場にちょっと顔を出してもらって、いろいろな方とお話したり、ね、徐々に慣れてくれればいいんだから。一番大切なのはおむつへの思いなの」

「...」
ぼくは、なんといったらいいのかわかりませんでした。
なんでぼくみたいな頼りない若造が経営に参加することになるのか、話だってうまくないし、イメージキャラクターってCMとか...??。

と、その時、奥のドアが開きました。そして、秘書さんとおばあちゃんが出てきました。

そして、その後から、スーツ姿の恰幅のいい大柄な男性が。
ぼくは、反射的にソファーから立ち上がりました

「やぁ、君が『ゆうやくん』か」
太い響く声で、愛想よく右手を差し出します。

「あ、はい」
「私は院長の『河井』です」
「あ、ども...」

ぼくが照れながら右手を出すと、センセイは左手も添えてしっかり握手してきました。微かにミルクのような匂いも...。

「いやー、みんなから聞いてるけど、やっぱりかわいいねぇ。そのロンパースもゆうや君のために特別に作らせたんだけど、ね、なほちゃん」
「そう、ほんとかわいいの。このお尻のぷっくりと膨らんだラインにもちょうどいいサイズでしょう」
と言うと、なほちゃんはぼくの体を後ろから支えて横を向かせ、センセイにお尻を見せてからぽんぽんとたたきました。
「あっはっはー、可愛いカワイイ。それに、ワシの見立てでも純粋で誠実そうな目をしてるし...、やっぱり母さんの直感は鋭いわ」
「あははぁ、あたしは何もしとらんがね。なほちゃんやひろこちゃんたちが見極めてきたんだし...」

センセイはぼくの手を握りながら何度も大きくうなずくと、
「さぁ、立ってるのもなんだからそこに掛けて、沙耶香ちゃん、お茶出してくれる?」
「はい」

センセイがよいしょっとソファーに腰かけると、ぼくもソファーに。その間も、なほちゃんはぼくの腰の辺りを支えながら座る位置まで気にかけてくれます。秘書さんは一旦奥の給湯室へ。

ぼくはぼくで自然とセンセイの腰のあたりに目が行きました。...でも、大柄なスーツ姿のせいで、お尻のあたりはあまり目立ってないようで。
(でも、おむつのはずだよな...)

「あらためて、ようこそ来てくれたね。君がここに何故いるのかっていう話はもう聞いていると思うけど、我々の事業の発展と継続のために君が是非必要なんだ」
「ちょっとぉ...」
「まぁ、あまりにも急なことだから戸惑いもあるかもしれないが、これまで、いろいろな方面から君を調べさせてもらった。気を悪くさせたら申し訳ない、この通り」
院長先生は、ぼくに頭を下げました。

「あ、いえ、そ、そんな、ぼくなんかに..。頭を上げてください」
「いやね、ワシも正直、ね、そのぉ...、君とおんなじでね。まぁ、気持ちが通じるっていうか、この先うまくやっていけそう感じがするんだよ。しかも睦実がな、あ、君のところの社長の奥さんが言ってるけど、勤務態度がまじめでルート営業の成績も高いって言ってるわ。お客さんにも信頼されてるみたいじゃないか。それに、偶然通りかかった交通事故現場でけが人を助けたりしたこともあるって。この事業もな、金勘定や策略を練るのがうまいっていうだけじゃ成功せんと思ってる。思いやりとか優しさとか、そのほんわかとしたイメージを前面に出さないとなぁ」
センセイは腰の辺りをさすりながら、
「ほらほら睦樹、お前もそんなに偉そうなこと言ったってそのお尻は?」
「あ、まあまあ母さん、そこんとこは...。もう、かなわないなぁ、あはは」

センセイが笑ってごまかすと、みんなもなんだか笑顔に。
(なんだか、この人もいい人なんだ。)

「でも、ほんとぼくは何も知らなくて...」
「あ、大丈夫、すぐに経営の実務をやってもらうんじゃなくて、息子の積夫の代役として外周りや、イメージキャラクターとしての仕事を少しづつやってもらえればいいから。そして、行く行くは、この事業の中枢を支えてほしいし、更には、商品の配送事業の分社化も任せたいと思っている」
「はぁ...」

ぼくは、あまりに大きな話に目が回るばかり。
これまでは、『腕一本で』ってトラックの運転のことばかり考えてきたのにね。

「でもぉ、今のトラック運転手の仕事は...」
「あぁ、社長の小林さんも了解済みだから。でも、『正直つらいけど』って言ってたわ。そこを何とかって頼み込んできたんだけどね...」
「そうですかぁ...」
「確かに、ゆうや君が抜けたら大変なのはよくわかるよ。『牽引』と『大特』免許の他にもクレーンとかいろいろな資格を持ってるんだよね。で、その代わりは今うちのスタッフが探しててなんとか穴埋めができると思ってるし、いきなり明日からここへ出勤なんてないから心配しないで。当面は今のトラック運転手の仕事も続けて、この病院にはバイト感覚で寄ってもらえばいいから。実際、事業化の準備期間が必要なんで1年くらいは慣れる時間があるしね」

「...はい、わかりました。やってみます」
「おう、それはよかった」

センセイはもう一度右手を出して握手してきました。そして、
「じゃぁ、まずはお祝いとお礼を兼ねてプレゼント...。布おむつトラック1台分っていうのはどう?」
「えーっ?」
「冗談だよ。まぁ、実際ほしければ倉庫からいくらでも持ってっていいからね。それに、トクショウとあの特別室は空きがあればいつでも使っていいから」
「ありがとうございます...」
「それとな、なほちゃんだけど...、これからも大切にしてやってほしいんだ」
「えっ?」
今度は、なほちゃんが声を上げました。
「いやぁ、今回のことでなんだか調査員みたいなイメージを持ってるかもしれないけど、全てこのワシがお願いしてやってもらったことで、なほちゃんには責任がないから...。それに、感じるのは、なほちゃんの気持ちが傾いているような...」

「...」
なほちゃんは顔を赤らめて下を向いてしまいました。
ぼくも、なんと言ったらいいのか。

「なんていうか、こうやって二人並んで座っているのを見てもお似合いなんだわ。それに、今もゆうや君が腰かけるのをなほちゃんが自然にサポートしてたよね。その仕草がなんとも愛らしくて」

「まぁそうたでぇ...、あたしも、さっきなほちゃんがゆうやちゃんのおむつカバーとロンパースのホックを止め直してたの見たとき、同じように思ったわ。なんだか無限の母性みたいのがなほちゃんの背中に見えたんよ。観音様みたいにな...」と、おばあちゃんも。

ぼくは、観音様のことはわかりませんが、これまでなほちゃんがぼくに優しくしてくれたことを振り返っていい子だなって素直に思ってました。
なおほちゃんも、そっとこちらを見て微笑んでいます。

「ほーだらぁ、お似合いの二人だでぇ、このあとも仲良くするんよ!」

...結局、ぼくはこのおばあちゃんの手の平で転がされていただけ。

でも、これまでの出会いの一つ一つを大切にしてきたことによって、幸運を手にすることができたのかもしれませんね。感謝感謝です。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
このストーリーはフィクションです。
登場する団体・名称・人物は全て架空のものです。

しばらく富山県

ぼくは北陸新幹線の工事関係の仕事にかり出されてかれこれ3か月になります。
この間、名古屋に帰ったのは計4日だけ。ずっと現場と宿舎の間の往復で、2~3日毎にネットカフェで夕食をとりながらインターネットをする生活です。

で、今日は半日だけ休みをもらったので、気分転換を兼ねて東海北陸道をドライブしました。

途中、休憩した城端SA(じょうはなSA;富山県南砺市)には、ハイウェイオアシスが隣接され、桜ヶ池を散策することもできます。ちなみに、ここの水、透明度が高くて大きな魚がゆったりと泳いでいるのが見えて驚きでした。
そして、名前の通り、春には千本以上の桜も楽しめるところなんだとか。近くに住んでたら是花見にきたくなりますね。
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また、ハイウェイオアシスには、ホテルと温泉プールを備えた『桜ヶ池クアガーデン』と、おみやげ・産直販売の『ヨッテカーレ城端』があって結構にぎわってました。
ぼくが気に入ったのは、ヨッテカーレの『こだわりおにぎり』。20種類以上もあるんです。中でも、「とろろこんぶ」と「白えびからあげ」とかのご当地品がオススメです。

写真左)『桜ヶ池クアガーデン』と、『ヨッテカーレ城端』
写真中)『桜ヶ池クアガーデン』
写真右)『ヨッテカーレ城端』
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写真)『ヨッテカーレ城端』の軽食メニュー
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ぼくはトラック運転手さんでちゅ(第80話)

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『ぼくはトラック運転手さんでちゅ』
「第80話.健康診断(その20);院長室での再会」
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

「さあ、ゆうやちゃん、そろそろ...」

秘書さんは壁の時計を見上げて、一旦なほちゃんと視線を合わせてうなずくと、ソファーから立ち上がりました。

「はい、ゆうやちゃん、タッチしようか」
なほちゃんはぼくをソファーから起こすと、手を貸して立たせてくれました。

秘書さんは、机でパソコンの画面をのぞき込むと、
「夕方の会合まで2時間あるし...」
と、独り言を言いながら、インターフォンのスイッチを入れて、

 ♪ポ~ン...

「あ、高松です。鈴木さんをお通ししても...」
「...、はいはい、いいがよ」
スピーカー越しにかすれた声が。
(...?)
ぼく、太い声を想像していたのに意外でした。しかも、なまってるみたいだし...。

「さあこっち。院長先生のお部屋にね...」
秘書さんとなほちゃんは、ぼくを両側からはさむように並ぶと、部屋の奥に向かって歩き始めました。

(いよいよだな...)
分厚いドアの前で一旦止まります。そして、秘書さんが軽くノックして「失礼します」と言いながらドアをゆっくり開けると、

「はいはい、どうぞどうぞ」
目の前に立っていたのはおばあちゃんでした。

(えっ!?)
想像していた白衣の恰幅のいい偉そうな先生...とは大きな違い。
小柄で少し腰の曲がったおばあちゃんが白い割烹着を着てニコニコ顔で立っています。

「あっ!」
ぼくは思い出しました。
「おばあちゃん!」
そう、あの新潟の用品店のおばあちゃんでした。

「思い出してくれたがぁね。もう何年も前だでね」
「はい!、あの時はありがとうございましたっ」
ぼくは懐かしさが込み上げてきました。
あの時も、年代物のおむつを目当てに、地方に出かけては古い用品店とかを巡っていた最中にたまたま入ったお店でした。
そこで親切に応対してもらって...。その後のぼくの『おむつ運』みたいなのが一気に開かれた出会いだったんですね。

「まぁまあ、そんなとこ立っとらんで、入った入った」
「はい!」
ぼく達は、おばあちゃんに手招きされるままに部屋の中へ進みました。

分厚い絨毯が敷かれた広い室内は、適度な広がり感を演出する大きな窓のおかげで、豪華な調度品や壁一面に造り付けられた書棚からの威圧感が薄められ、格調の高さと居心地の良さが絶妙にバランスされていました。

(...なかなかセンスいいなぁ)
ぼくが周囲を見渡して感心していると、
「ほらほら、こっちだが」
おばあちゃんに促されて中ほどのソファーへ。

「そこ、座らんね」
「あ、はい」
ぼくは、おばあちゃんの正面に座りました。

・・・・・

「それにしても久しぶりだがねぇ。あん時のこと、よく覚えてるわぁ...。だけど、今日はまた一段とかわいいこって...」
おばあちゃんは、ぼくを上から下までゆっくりと観察してから、しわくちゃの笑顔でうんうん頷きます。
そう、ぼくはロンパースによだれかけをした完全な赤ちゃんスタイルでしたね。きっと、この先、大人の会話になるのか、ならないのか微妙な空気を漂わせていたんでしょうね。

「あはっ、いいがよぉ、わたしゃ『大きな赤ちゃん』には慣れてるでね。それにしても...、変わっとらんがねぇ」
「はぁ...」
ぼくは、恥ずかしさで顔を赤くしたまま小声でボソボソと。すると、
「おむつだらぁ?そのお尻。まん丸に膨らんでぇ」
おばあちゃんからのいきなりのストレートです。

「あん時も店でな...、子供用品の棚をゴソゴソかき回して、ずっと売れ残っとった布おむつの束なんか取って来るからおかしいと思ったんよ。しかも、お尻を見たらあんた、まん丸で...。すぐわかったわぁ、おむつしてるって」
「...」
ぼくは返す言葉がありません。

「それにな、あたしの見てる前でおもらししちゃったんよな。で、おむつ替えようってことになったんだけど、ほしたら、あんたのしてたおむつカバー、かわいがったことぉ驚いたわー。普通は病気か何かだど思うわ、大きなお兄ちゃんがおむつしてるんだから。でも、だったら医療用か介護用だわな。ピンク色のネコっ子のおむつカバーなんて、好きでもなげりゃ、せんよ、あはは~」
おばあちゃんはすごく楽しそう。
秘書さんとなほちゃんも「あらあら」って感じでぼくを見て笑っています。

「...」
ぼくはと言えば...、顔が火照って、どんどん真っ赤になっていくだけ。なんともコメントできません。

「でな、そのおむつめくったら、あんたのあそこ、ツルンツルンでぇ、赤ちゃんみたいだったわ」
おばあちゃんは、更にクスクス笑いながらぼくの股間を指差しました。

「そ、それは...」
「あはっ、『こんなにおっきなお兄ちゃんになっても、ぼくはおむつがとれない赤ちゃんのままなの~』って言ってるんと同じだったんよぉ」
(...)
「んで、すぐにおもらししちゃうしなぁ、普通は大人になったらおむつにおしっこ簡単にできんよ、練習せんにゃ。それをあんた、赤ちゃんみたいにすーっと、ほんと自然だった、普段からおむつしてる子だって、よーくわがったから...」
「...」

おばあちゃんはよくしゃべること。
次から次へともう楽しくてしょうがないって感じ。横では、なほちゃんと秘書さんもニコニコ顔で相槌を打ってるし...。

「で、おむつ、ぬれてないのかや?」
「えっ?、あ、いえ、今は」
おばあちゃんの突っ込みに慌てるぼく。

「そうかや?ばあちゃんが見たるでぇ、そこに楽にしてぇ」
と言いながら、おばあちゃんはソファーからよっこらしょっと立ち上がりぼくの前に膝を着きました。

「あ、ほんと、大丈夫ですから、まだ...」
と言ったんですが...、
おばあちゃんは「確かめてたるでぇ」とでも言うように一瞬微笑むと、手がさっと伸び、ぼくのロンパースの股間のホックを外してしまいました。
「うっ...」
「まあいいがら、ちょっとおとなしくして」
(...)
ぼくは観念して座ったまま足を大きく開きました。

おばあちゃんは、ロンパースの前をめくると、
「あらー、かわいいおむつカバーやねぇ。どれどれ...」おばあちゃんは、おむつカバーのホックの一番下だけ外してギャザーのところから指を中に入れてきました。
「あ...」
「ん?、ぬれてない...がや?」
おむつの中でおばあちゃんの指が怪しく動いて、
「うっ」
ぼくは、お〇ん〇んの先を触れられて反射的に腰を引きました。
「あ、ごめんな。でも、まだチッチしとらんみたいな、先のほうはちょっとヌルッとしてたような...、なぁ沙耶香ちゃん?」
「あ、はい、まだ大丈夫だと思います。ここにお通しする前に秘書室で替えましたから」
「そうかいそうかい、ばあちゃんがおむつ替えたろうと思ってたんに...。まあ、ゆうやちゃんもお姉ちゃんたちにおむつ替えてもらってうれしかったがやぁ」
「...」

おばあちゃんは、おむつの中から指をそっと抜くと、にこにこしながら、
「おりこうさんやね、まだおもらししとらんがったわな。今度おむつがぬれたらばあちゃんが替えたるでぇ、おしえるんよ」
「...(うん)」ぼくは、コクリとうなずきました。
「はいはい、いい子だわぁ...、なほちゃん、直しておいてくれるかや」
「あ、はい」
おばあちゃんは、なほちゃんにぼくのおむつカバーとロンパースのホックを止め直すように言うと、
「実は最近腰が痛くてなぁ、低い姿勢がちょっと、ベッドの上なら楽なんだけんどな」
「お体大切にして下さいね。私達ができることはなんでもしますから...」

そんな和やかな雰囲気の中で、いつしかぼくも恥ずかしいのを通り越して、だんだん楽しくなってきました...。

・・・・・

しばらくの間、アットホームな会話が続いて一段落すると、
「それにしても、よぐ来てくれたわぁ...」
おばあちゃんは、目を細めてかみしめるように言いました。

(なんだっけ...、そおだっ!)
ぼくは、この雰囲気に飲まれて大病院の院長室にいるのをすっかり忘れてたんですね。
でも...、
だとすると、ぼくの目の前に座っているおばあちゃんが...?

「あのぉ~...」ぼくは切り出してみました。
「ん?なんね?」
「おばあちゃんが院長センセイ...?」

ぼくがオドオドした様子で尋ねるので、おばあちゃんはクスクス笑いながら、

「あ、ははっ、わたしゃ院長じゃぁないがよ」
「...??」

ぼくが状況を飲み込めない顔でいると、横から秘書さんが説明を始めました。

「あ、あらためて紹介するわ。こちらは当病院の『名誉会長』で、院長先生のお母様の『河井ムツ』さんよ。院長先生は『河井睦樹(むつき)』さんっていって、今はこの奥で『お昼寝中』なの」
「えーっ!(そんなに偉い人だったんだぁ...ただの田舎のおばあちゃんかと...)」
「まあまあ、沙耶香ちゃん、そんなことはどうでもいいんよ。わたしゃもう隠居の身だでねぇ」
「だけど、まだまだしっかり私達を『ご指導』いただかないと。今回ゆうやちゃんも『選んで』もらって」
「うんまぁ、それも...、もういいがよぉ。こうやって会えてうれしくてな...。それに...、あん時、ゆうやちゃんに会えたのはほんと偶然だったんよ。『ミツ』の孫娘の美奈ちゃんの出産の時だったわ、手が足りながったんで新潟に呼ばれて店番してたんよな。ほしたら、ゆうやちゃんがおむつ買いに来て...」
「あ、『ミツ』っていうのは私の実の祖母の『山本ミツ』ことで、名誉会長の妹なの」
秘書さんは要領よく補足すると横を向いて『なほちゃんも自分のこと話したら』っていう視線を送りました。

「...、じゃあ私も...。実は名誉会長は私の本当のおばあちゃんなの。院長先生は私の伯父さんで...、別に隠してた訳じゃないの、なんとなく言い出しにくくって」、なほちゃんもぽつりと。

「...」
ぼくは、かなり混乱気味でした。これまで出会ってきた人たちは、実はファミリーだったんですね。
確かに、そう言われれば、なほちゃんは『河井』だし、おばあちゃんや院長先生の河井ファミリーだって言われればそうかなって。
でも、『山本』さんとか、秘書さんの『高松』さんとかって、苗字が違うからぜんぜんつながりがわかりませんね。

「そうなぁ、女は結婚すると姓が変わるからわからないわな...」と、おばあちゃん。そして続けて、
「元々な、うちは『神尾(かみお)』っていう家だったんよ...。四人兄弟姉妹で、あたしが長女の『神尾ムツ』で、下が弟の『神尾浩一郎(こういちろう)』、その下が『神尾ミツ』でな、一番下のが『神尾浩二郎(こうじろう)』だったわ。あたしは、この病院を創設した『河井誠一郎』ってのと結婚してな『河井姓』になったんよ。『ミツ』も新潟の洋品店に嫁いで『山本姓』に変わったわ...」

おばあちゃんは、昔を思い出すようにゆっくり話します。そして、
「弟の『浩一郎』な、その娘婿の『桜清志(きよし)』さんは青森県の弘前で病院やっとるわ。んで一番下の『浩二郎』はもう早くに亡くなったけんど、その嫁さんは『タエ』さんっていってこの病院に勤めてもらってる。名前は再婚して『松島姓』になったけんどな...」
「『タエ』さんって、もしかして、あの洗濯室の?」、ぼくは『松島』って聞いてふと思い出しました。
「そう、タエさんな。あの人は働きもんだでぇ。あたしの義理の妹だし、そんなに働かんでもええのにって言っても聞かんの。洗濯が好きだって、いつも大きな赤ちゃんたちのおむつ洗っては干して、もう頭下がるわぁ」。おばあちゃんは申し訳なさそうに言いました。

「ふーん...」、ぼくはおばあちゃんの話を聞きながら神尾ファミリーの家系図を頭に浮かべようとしましたが、ややこしくてなかなかつながりません。
とりあえず、なほちゃんも秘書の沙耶香さんも親戚だったってこと。

「そうそう、タエさんの孫たちも元気にしとるかやぁ?」
「...」

「あ、タエさんには二人の娘さんがいて、一人は青森に住んでいる葉山さんで、その娘さんは『順子』さん、〇〇航空で客室乗務員やってるわ。もう一人は静岡で宿舎の管理人をやっている松島さんで、その娘さんは『寛子』ちゃん。二人からも、ゆうやちゃんとのこと聞いてるから」と、秘書さんは次から次へと説明します。

「えぇ~っ...」ぼくは、順子さんや寛子ちゃんまでファミリーだったことに驚くばかり。
しかも、これまで出会ってきたみんなが、次から次へどうやったらそんなに都合よくぼくと接触できたのかも不思議です。

「...そう、『なんで?』って思うわよね。こんなに都合よくつながるなんて。でも、それは簡単。ゆうやちゃんのお勤め先の社長さんの奥さんは?」
「小林睦美(むつみ)さんだけど...」ぼくは秘書さんに誘導尋問されていきます。
「実は、旧姓は『河井睦美』さんっていうの。おばあちゃんの娘さんよ。運送会社社長の小林さんのところに嫁いだから姓が変わったの」

(なーるほど!)

ぼくは、頭の中でかなりつながってきました。
だから、静岡県内の仕事で泊まる時はあの宿舎を指定されたり、飛行機で青森まで行って弘前の病院に見舞いに行ったり。その初フライトの時も順子さんの乗務担当便が事前にわかっていたんですね。

そして、
(弘前の病院って言ってたな...)
あの病院もおばあちゃんの親族がやってたってことですね。

(だから...)
この愛育病院と同じトクショウみたいな治療方法を実践してたってわけ。
ぼくは、その病院にいた『めぐみちゃん』っていう女の子のことを思い出しました。
高校生なのに、おもらしが治らない大きな赤ちゃんで、おむつでお尻をまん丸にしてたっけ。
(可愛かったなぁ...)
ぼくが妄想モードに入りそうになると、
「それと、浩一郎さんの娘婿の清志さん、弘前で病院やってるって言ってたでしょう、その娘さんは『桜ももこ』ちゃんよ、この病院に医師として赴任してる...」

秘書さんは、もう隠すこともないって感じでどんどん説明してくれます。
「ももちゃんも?」
「そう、何年かしたら弘前の方に戻るみたいだけど、今は研修中だから」

(ふーん)
ももちゃんも、神尾ファミリーだったんですね。

(...?!『△◇□☆』...)

ぼくは、ふと浮かんできました、もうひとつの線が。
ここまでくると...、つながりは偶然ではないような気がして。
「あのぉ~、間違ってたら...」
「えっ?」
「すみません、秘書さんの苗字、『高松』さんでしたよね?」
「ええ、そうだけど」
「あの、もしかしたら『昭和懐古庵』って...」
「あそれ、私の実家」
秘書さんは、あっさりと答えました。

「やっぱりぃ...。じゃあ、事務の『高松紀子』さんは」
「私の母よ」
「ですよね...。その節はお世話になって...」
「あはっ、聞いてるわよ。ももちゃんと一緒に赤ちゃんになったって。あの施設もね、お兄ちゃんが、あ、剛志(たけし)っていうんだけど、経営センスがないもんだから、お父さんの代で終わっちゃうかもって心配してるの。昭和のノスタルジックな雰囲気がたくさん詰まってて私は好きなんだけど...」
「うん、ぼくも好きだよ。『○丁目の夕陽』の映画のセットに使えそうなところがいっぱいあったし」
「そうかなぁ...?、ゆうやちゃんは、布おむつの展示が良かったんじゃない?お母さんが言ってたわよ、あの前でしばらくじっと見てたって」
「あ、えっ、それは...」
「あはは、いいのいいの。それより、あのおむつの展示品ね、倉庫の分も合わせると相当な量と種類があるの。かわいい柄物ばかりでその内オークションに出そうと思ったりして。ゆうやちゃんにもまた分けてあげるから」
「はい!、よろしくお願いします」
「あはっ、そういう返事はいいんだからぁ」

ぼくは照れ笑いしながらも、あの『昭和懐古庵むつき別館』での様子を思い出していました。
(昭和のお母さんも良かったなぁ...、それにしても...)
ぼくは、徐々にファミリーの全貌が見えつつある中、あらためて共通点を探すまでもなく、みんな『おむつ』っていうキーワードでつながっていることに驚かなくなってきました。
なほちゃんも、そのお姉さんのあゆみさんも、寛子ちゃんも、順子さんも...、みんな実は甘えん坊で...。
沙耶香さんだって、まだ見てないですがこのお尻の膨らみは間違いありません。
そういえば、この病院にいた副院長の奥さんのユミさんや娘のユリさんもおむつだったし...。

(おむつファミリーなんだ...。その『黒幕』はおばあちゃんかな?、なんたって『かみおむつ』さんだもんな...)。

ぼくはダジャレで自身を納得させたところで、ふと横を向くと、なほちゃんと目が合いました。

「そうそう、最初に会った時...、一生懸命探したのよ、ゆうやちゃんのトラック。伯父さんからGPSの位置情報で高速のサービスエリアに入ったからって。車体の色や会社のロゴマークでやっとみつけて...。近付いていったら、ドナルドダックみたいなお尻して歩いてたからすぐわかったけど」。
なほちゃんは、ぼくとの最初の出会いを種あかししました。それにしてもドナルドダックとは...。

「あ、でも、始めの内は指令に従った言われるままだったけど、実際にゆうやちゃんに会ってら、ぐっと惹かれちゃって...、ほんとよっ」
「はいはい、大丈夫。ゆうやちゃんだってなほちゃんが演技してるなんて思ってないから。ねぇ、ゆうやちゃん?」。秘書さんは間をとりなします。
「うん!」。ぼくもなほちゃんに向かってにっこりと。
「よかったぁ...」なほちゃんは涙目になっていました。
(おいおい...、だけどさぁ...)
ぼくは、なほちゃんを泣かせてしまって切ないと思う一方で、神尾ファミリー総掛かりでぼくをどうしようとしているのか疑心暗鬼になってきました。
おばあちゃんもぼくのそんな思いを察したのか、
「ごめんなぁ、これまで何の話もせんと...。実はな、うちの旦那の誠一郎が亡くなる時に親族みんな集まって決めたんよ。それはな...」

さすがに鈍いぼくも、いよいよ話が核心に触れようとしてきたのがわかりました。


~~~『ぼくはトラック運転手さんでちゅ(第81話)』に続く

このストーリーはフィクションです。
登場する団体・名称・人物は全て架空のものです。

~~~~~~~~
登場人物(参考)

■おばあちゃん(山本ムツ)は『第2話:田舎のおばあちゃん』に登場
■なほちゃん(河井奈保子)は『第3話:ヒッチハイクの子』から登場
■静岡の宿舎の管理人のおばちゃん(松島郁子)『第16話:宿舎のおばちゃんにも...』から登場
■宿舎の管理人の娘のひろこちゃん(松島寛子)は『第20話:ひろこちゃんとドライブ』から登場
■なほちゃんのお姉さんのあゆみさん(河井亜由美)は『第24話:婦警さんの動揺』から登場
■運送会社社長の奥さん(小林睦美)は『第25話.婦警さんの素顔』に登場
■客室乗務員のおねえさん(葉山順子)は『第29話:高度1万メートルの至福』から登場
■弘前の病院の患者のめぐみちゃん『第31話:病院で』から登場
■トクショウの子のユリさん(河井由里)は『第63話:トクショウの『子』?』から登場
■受付のおねえさん(ユミさん;河井由美)は『第64話:アキちゃんのおむつ交換』から登場
■研修医のももちゃん(桜ももこ)は『第48話:タイヤ交換』から登場
■昭和懐古庵の昭和のお母さん(高松紀子)は『第52話:懐古庵で~懐かしい光景』から登場
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甘えん坊のゆうや

Author:甘えん坊のゆうや
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ぼくは大型トラックの運転手です。普通とちょっと違うのは、大きな赤ちゃんってことだけ。いつもおむつしてるんだよ~(笑)。
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