ぼくの日常風景?:『クリーニング屋さん(4)』をアップします。



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  『クリーニング屋さん(4)』

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おかみさんに触診してもらって、体のほうは大丈夫そうだって...。


「でもなぁ...」

「ん?」

「体はそれほど悪くないのに元気そうに見えなかったちゅぅのは...、やっぱり『気持ち』やな。 まあ、それもさっき話してくれたでぇつながったわ」

「...」

「それまでお母さんにずっと赤ちゃんみたいに甘えん坊さんしててぇ、高校生になってもおむつを替えてもらってた子が急に独り暮らしなんか始めるでぇ、気持ちがついていけなかったんなぁ...」

「...」

「『赤ちゃん返り』するのも無理ないわなぁ...」

おかみさんは、また遠くのほうを見上げるようにポツリと言いました。

ぼくもなんだかしみじみと、自分のことながらあらためて納得した感じで...。


「やっぱり、なんだかんだ言って、男の子はお母さんなんやな」

「...うん」

「体は大きくなって、ここも立派に働いてぇ...、あ、ちょっと話が長くなる前にもう一度きれいきれいしような」


おかみさんは、ぼくのお◯ん◯んを触りながら、まだ濡れているのに気付いたのか、手ぬぐいを一旦手桶に戻してゆすぎ直してから、

「はい、じゃあここきれいに拭き直すでね...」


お◯ん◯んのあたりを手早く済ませると、

「ほら、ここポツポツ赤くなっちゃってるやろ、かぶれてるんよ...」

「えっ?」

「ここ...」

おかみさんは指を差します、

「でも、ゆうやちゃんからは見えないかぁ...。股間とかお尻とか、いつもおむつ当ててる子の割にはきれいやよ。きっと自分でも気をつけてるんね。でもぉ、ここはさすがに誰かに見てもらわんとなかなか気がつかんわな。あ、ちょっと...」


おかみさんは、よいしょっと立ち上がりました。

そして、部屋の隅にある小箱の前に座り直し、引き出しを開けて中を探ります...、

「えーと、確か...、ぁ、これこれ」

何か見つけたようです。そして、こちらを向いて微笑むと、戻ってきてまたぼくの股間の前に座りました。


「これ、塗っといてやるでねぇ。結構効くんよ」

白くて丸い小瓶には『オロ◯イン軟膏』の文字。

「昔からな、おむつかぶれにはこの薬なんよ、ヤケドにもいいけどな...。ほーら」

おかみさんは微笑んで、ぼくの股間をのぞき込みながらていねいに薬を塗ってくれます。やさしい優しい感じ、実家でお母さんがしてくれるのと同じでした。


(あぁ...)

ぼくは、なんだかぼーっとしてきて瞼も下がりぎみ。

この気持ち良さ...。

 ...意識が薄らいできました。

しかもぼくの今の恰好、両足を開いて股間丸見えのものすごく恥ずかしいのに、それも含めて全て受け入れてもらえるっていう幸せ感で心が一杯になってたんですね...。


ぼくは思わず、

「母さん...」

「...ん?」

はっと我に返るぼく。

「えっ、あ、いや、その...」

ぼくは、思わず出てしまった言葉を否定すると、

「いいんよ、いいんよ、一瞬、お母さんが見えたんね...」

「...」

「気持ちよかったかやぁ。ぼーっとしちゃってぇ」

「うん...」



おかみさんは優しく微笑んだまま。そして、


「じゃぁ、もう一つ、これもお母さんが見えるかもしれんよ...」

「...?」


おかみさんは、ぼくのカバンに手を伸ばし、中からベビーパウダーの丸い缶を取り出しました。

「好きやろ?これ」

「うん!」

「ほんじゃぁ...」

にこにこしながら缶のフタを開け、中からスポンジパフを取り出しました。


「あー、いい匂いだわぁ。あたしゃこの甘~い匂いが大好きなんよ。ゆうやちゃんもかやぁ」

「うん、ぼくも大好きだよ」

「な、そうなぁ...、じゃぁ、パタパタ~」


おかみさんは、ぼくのおへその辺りから腰へと順にパウダーをつけてくれます。

「ほらぁ、パタパタ...、気持ちいいねぇ」

「うん...」

ぼくも、その甘い匂いと、パタパタの心地良さにうっとり、

「ほーら、ここも...」

(うっ.)

お◯ん◯んをつままれました。そして、根元から玉袋から...、

(...気持ちいい...)


「...この匂いな、赤ちゃんがいる部屋みたいな...」

「うん...」

「なっ、ほら、真っ白になってきた...、ここも...パタパタぁ...」


股間からお尻のほうまで、ていねいにまんべんなく。もう、ほんと幸せ。


「はーい、パタパタ終わり。気持ちよかったねえ、うれしそうやねぇ...」


ぼくは、きっと満面の笑みだったんでしょうね。

さらさらすべすべでほんと気持ちいい。
しかも、ちょっとおしっこの匂いが混じったベビーパウダーの甘い香り...。

座布団敷きの上なのに、まるで、ふかふかの羽根布団のベビーベッドに寝ているような浮遊感になるから不思議です。
このまま、ふっと意識が薄れそうな...。


「さあて、じゃぁ、おむつ当てちゃおうな。また、チッチ出るといかんでぇ」

(あちゃー...)


おかみさんは、T字に広げたおむつを一旦きれいに伸ばして形を整え始めました。
ぼくの角度からは、少し色が褪せたバンビちゃんの柄や三色水玉柄のおむつがちらちら見えています。どれも懐かしい平織りのおむつたち...、って思ったら意外と新しいデザインのクマさんやキ◯イちゃんのドビー織りも混じってる...。

(そういえば...、なんで?)

さっきは舞い上がっていたので気にも留めませんでしたが、そもそも、何でここにおむつがこんなに沢山あるんだろうって気になりはじめました。
誰かのお古だって言えばそうかもしれません、「こんなに古い物よくとってあったね」っていうこと?、でも、よく見ると

ダンボールに詰め込まれていたような圧縮しわもなくて、洗って軽くたたんでそのへんに積んでおきました、っていうような感じ。
しかも、古いおむつばかりなら納得できますが、かなり新しいのも混じっているし...。
(なんで?)

(さっき、おかみさんは、『これがこんなに早く役に立つとは思わんかったわぁ...』って言ってたよなぁ...)


「さぁて、準備できたし...、ほーれ、かわいいの...」

おかみさんは、縦のおむつを両手でつかんで、股間を通してぼくに見せました。

「うん、かわいい!」


ピンク色のキ◯イちゃん柄を目の前で見せられると、『なんで?』って思ってたぼくも、一時思考が止まってしまいました



「ほな、そーっとな...」

おむつがゆっくりお◯ん◯んにかぶせられます。


「ほーら、お◯ん◯ん、ナーイナイ...」

(あぁ...)


この瞬間、もう何も考えられなくなります。

おへその辺りまでずっしりとかぶさる感じ。縦だけでも15~6枚分はありそうです。

そして、横のおむつも左右に一度引っ張って伸ばしてから、腰を包み込むように前で交差して合わせました。


「ほーら、おりこうやねぇ、ここもちょっと...」

両手で股間おむつの形を整え、お◯ん◯んの据わりも良くして、

「はあい、おむつはきれいに当てられたわ、次はカバーな...」

おかみさんは、カバーの横羽根を左右からおなかに回して、

 ♪ポチッ

真ん中をホックを止めました。


そして、前当ての部分を股間から通して前面に被せて、


「はーい、最後はホックを...、止めてぇ...」

 ♪プチっ...、
 ♪ポチッ...、
 ♪パチン...、
 ♪プッ...、
  ...

とってもていねいに、愛情がこもっている感じでホックを止めてくれます。

「このカバーな、昔よく使ったもんや...」

 ♪ポッ...、
 ♪ポチン...、


「ほーれ、できたぁ」

おかみさんはにっこり微笑んで、おむつカバーの上からポンポンと軽くたたいて終わりの合図です。

「うん、ありがとう」

ぼくもにっこり。ふーっと深呼吸するとすごく落ち着いてきました。


ちょっと眠い...。


「...それにしても、このカバー、『ニ◯キ』のな、このクリーム色のは定番だったわ。他には水色の『ツル◯メ』、そして白いのが『白◯字』でな、あたしが勤めていた病院の屋上に沢山干しとったわ、懐かしいわぁ...」

「へー...」

「そうなんやぁ、共同の物干しでな、洗濯すると皆干しにいくんよ。赤ちゃんのおむつも多かったけんど、大人のもかなりあったで。間違えんように、一枚一枚名前書いてな」

「あはっ、それって結構恥ずかしいね」

「そやなー、でも、昔はあまり気にせんかったわな、それが当たり前やったからな」

「ふーん...」

おかみさんは、ぼくのおむつカバーの上から、股間の辺りを優しくポンポンとたたき続けてます。まるで心臓の鼓動のリズムのように規則正しく...


ぼくは、また少しぼーっとしてきました。

「病室を回って順番におむつ替えるんよ...、みんな布おむつやったし...、若い子なんかは入院して不安になっておねしょが再発する子も多かったわな...。赤ちゃんと違って枚数がすごく多いから、屋上はもうおむつで一杯...」

「そう...」

「ほや、特に午前中は生乾きだと洗剤の匂いが漂ってなぁ...」

「...」

ぼくは、股間に軽い振動を感じながら、心地よさで意識が薄れそうになります。

「なぁ、そのおむつが風で揺れて...」

ぼくは、病院の屋上で風に揺れる沢山のおむつとおむつカバーを想像しました...。


...そこには、たくさんの物干し竿があって、おむつが一杯に干してありました。小さな赤ちゃん用のおむつカバーに混じって、異様に大きな大人用のおむつカバーも風に揺れています...。
ほくは、その中の一枚を手に取って...、顔に近づけています。生乾きの洗剤の匂いに混じっておむつ特有の少し酸っぱい匂い...。

(あぁ...)

ぼくは、強い衝動にかられました。

(ほしい..)

そっとあたりを見渡して、

(だれもいない、よな...)

そして次の瞬間、その中の1枚を手に取り、ズボンの前を開けて股間に押し込みました。

(ふー...)

ふと見ると、まだおへそのところからおむつがはみ出しています。

(あ、やばっ!)

あわてて残りを押し込もうとするぼく。でも...、

(なんだ?)

おむつにマジックで何か書いてありました。よく見ると

『スズキユウヤ』...。

(うっ!)

急に我に返りました。


「どうしたのかや?」

おかみさんがぼくの顔をのぞき込んで笑っています。

(あっ、いや...)

ぼくは、おむつの前が突っ張って窮屈になってました。


「今、一瞬寝てなかった?」

「えっ、いや、その...」

「そう?、でもなんだか眠そうやねぇ、落ちついちゃったかや?...、疲れてるん?」

「うん、ちょっとね...」

「そだ、だったら泊まっていかんね?」

「えっ?」

「そうしやあ、なっ」

「そんなぁ、悪いですよ、おむつ替えてもらって、その上」

「いいんよぉ、あたしゃ独りやし、たまにはにぎやかでいいわな」


おかみさんは、笑顔でうんうんうなずきながら、もう決まったように...。


「でも...、ぼく明日は学校あるし...」

「そんなら、朝少し早く起きて家に寄ってから行ったら?、すぐそこなんだし、なっ、ほな、そうしよな」

「えぇ、まあ...」

「はい、決まり。よかったぁ...、よかったわぁ」

もう完全におかみさんのペース。
満面の笑顔ですごくうれしそうなのを見てると、これ以上断ることもできず...、

っていうか、ぼく自身もここの居心地が気に入ってしまってたんです。



♪ぼ~ん、ぼ~ん、...ぼ~ん、



古い柱時計の鈍い鐘が8つ鳴りました。見上げるとちょうど8時です。


「あ、ちょうどいい時間やねぇ、じゃあ、夕飯にしような。今日は炊き込みご飯を作っておいたんよ。独りで食べて残っても明日も食べられるし...、でも、ゆうやちゃんには、他に何か作ってあげんとなぁ...」

「あ、いいですよ簡単で。元々泊まる予定じゃなかったからご迷惑ですよね」

「いいんよぉ、ご迷惑なんて。あたしが『泊まっていかんね?』って言ったんだし、すぐこしらえるからちょっと待っててな」

おかみさんは、横のテレビのスイッチを入れました。

「これでも観ながら、ちょっと楽にしてて...」

と、言い残して廊下のほうへ出ていきました...。


~~『クリーニング屋さん(5)』に続く

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
このストーリーはフィクションです。
登場する団体・名称・人物は全て架空のものです。

ぼくの日常風景?:『クリーニング屋さん(3)』をアップします。



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  『クリーニング屋さん(3)』

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♪ぼ~ん...

古い柱時計の鈍い鐘が一つ鳴りました。見上げると7時半、

「じゃぁ、そろそろ帰ろかな。預けた洗濯物は」

「あっ、あ、そうな、これ、この袋に入れといたでね」

「うん、ありがと」

ぼくは、椅子から立ち上がり、一旦その大きな袋をつかみかけました。

「あっ、それで」

おかみさんは、袋をそっと引っ込めて、

「ん?、なに?」

「大丈夫なん?」

「えっ?」

「ほれ、その、おむつ、濡れてるんやろ」

(うっ...)

「なんだか少し匂うわ」

ぼくは不意を突かれました。
実はさっき閉店間際に駆け込んだ時、「間に合ったぁ」と思った瞬間に気が抜けて、ちびっちゃったんです。
まあ、その前も買い物の間に少しづつ垂れてましたけど...。


「そのぉ...」

「やっぱり濡れてるんね、判るわぁ、あたしも二人の子供を育てたんやし」

「あ、いえ、大丈夫だから...」

「へー、そう?、どれ」

(うっ!)

おかみさんは、ぼくの股間にさっと手を伸ばして、重さを計るように押し上げました。

「ほらほらほらぁ、ずっしり重いじゃない、かなり濡れてるんじゃないの」

「...」

「ねっ、こっち、おいで。替えたるで」


おかみさんは、やさしく微笑んでぼくの手を取りました。
すごく柔らかいあったかい手。



「なっ、おいで。おむつ替えようね」


ぼくはこのやさしい言葉にへなへなと力が抜けたようになって...、手を引かれるほうへ、

「はいはい、やっと素直になったわな。ここに靴脱いで...、そう、上がって、こっち」

おかみさんは、店のカウンターの奥にぼくを導きました。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


そこは6畳の和室でした。畳の匂いがなんだか懐かしい感じで、すーっと気持ちが落ち着く感じがします。


「さーて...」

おかみさんは、部屋の隅に重ねて置いてあった座布団を3枚抱えてきて、縦一列に並べると、


「ここに、ネンネしてごらん。カバンはそこに置いて」


でも、ぼくは固まってました。おかみさんにやさしく導かれたものの、まだ気持ちのどこかが大人との境を行き来しています。


「どうしたのかやぁ?」

「あ、いえ、やっぱりいいです。自分で替えるから」

おかみさんはゆっくりとうなずきながら、もう一度ぼくの手を両手でやさしく包んで、



「いいんよ、もう、そんなに頑張らなくって。実家から一人で出てきて、いきなり独り暮らしで甘える人もいなくて...、それでも頑張らなきゃいけなかったんね...。たいへんやったなぁ...、えらかったなぁ。でも、もういいんよ、なっ」



「...」

ぼくは、それまで背負っていたものがふっと消えていくような感じを覚えました。


「なっ、もう、あたしには何も隠さんでいいわ。赤ちゃんになって、気持ちを楽にしてごらん...。今だって、おむつにたくさんおもらししてるんね。赤ちゃんならおむつはお母さんに替えてもらうもんよ」


「でもぉ...、ちょっと恥ずかしい」

「そんなことないわな。ゆうやちゃんは赤ちゃんなんよ、赤ちゃん...。な、おむつは当たり前なんよ」

「...」

ぼくは、まるで催眠術にかかったような浮遊感に包まれました。

(赤ちゃん...)


そして、小さくうなずくと、促されるままに座布団に横になって...。

「そう、いい子やねぇ、ねんねできたね」

「じゃあ、力を抜いて...、全部してあげるでね。まずは、ベルト外すから...」

おかみさんは、横になったぼくの腰の横に正座し、ズボンを脱がせ始めました。
ぼくもゆっくり深呼吸...。




「あらー、かわいいおむつカバー!」

「...」


そう、ぼくは『黄色のひよこちゃん』のおむつカバーをしてました。


「これ、ほんとかわいいわぁ。赤ちゃんのみたいやね、ゆうやちゃんに似合ってる」

「...」

ぼくはにっこりうなずきました。おかみさんもにっこり、そして、

「さてとぉ、ちょっとごめんね」

すっと、白い手が伸びてきました。

 ♪ポチっ

「ぁっ...?」

股ぐりのホックが一つ外されます。

「うっ!」

おむつカバーの股間のギャザーのところからおかみさんの指が入ってきました。おむつをもぞもぞと探って...。

「うわっ!」

「あ、ごめんごめん。どんだけ濡れてるかと思って...」

ぼくは、お◯ん◯んを触られてびっくり。

「もー、ほらぁ、びしょびしょやん、お尻のほうまでぐっしょり。こんなになるまでおいといちゃぁ、あかんよ...。でも、これじゃぁおむつ、たくさんいりそうだわなぁ、カバーも替えないと」

(...)

「替えのおむつは?、持っとるん?...このカバンの中かぁ」

「うん」

おかみさんは、ぼくのカバンを開けると、巾着やら大きなビニール袋やらをごそごそかき分けながら、

「あー、いろいろ入っとるわ。...よいしょっと、この袋は...、あらあら、濡れたおむつばかりやねぇ...」


そうでした。
替えのおむつは昼間にほとんど使ってしまって残りは数枚のはず。
元々、クリーニングをさっと受け取って帰ってから替えようと思ってたんで...。

「乾いたのは少ししかないんねぇ...。ベビーパウダーとか、赤ちゃんのお尻拭きとかはあるけど...、じゃあ、ちょっとそのまま待っててな」

(...?)

おかみさんは、ぼくの返事も待たずにさっと立ち上がると、廊下の奥の方へ行ってしまいました...。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


しばらくすると、廊下をスタスタ歩く音...、


「お待たせぇ!」

おかみさんが部屋に戻ってきました。右手でカラフルな布をたくさん胸に抱え、左手には手桶を持って。

(おむつ!)

「これ、使おうな。ゆうやちゃんの持ってるのだけじゃ足りんわぁ。大きな赤ちゃんはおむつ沢山いるでね~」

「...」

おかみさんは座布団をもう一枚ぼくの頭の横に敷いてから、抱えていたおむつを置きました。
そして、その山から何枚か取り上げて、ぼくの目の前で揺らします、

「ほーら、かわいいやろ」

「...うわー!」

バンビちゃんや熊さんの定番柄に加えて、藍染め絞りの柄や三色の水玉や雪の花柄...などなど、懐かしい平織りのおむつたちが目の前に広げられます。

「なっ、これ、あててあげるわ」

「うん!」

舞い上がってしまったぼくは、その時なんでここにおむつがそんなに沢山あるのかって疑いもしませんでした...。



「じゃあ、ちょっと待ってなぁ今準備するでぇ...、これがこんなに早く役に立つとは思わんかったわぁ...」

(こんなに早く?...)

おかみさんは、おむつを一枚一枚広げながら重ね始めました。

「沢山いるでねぇ...大人は...」

おかみさんの経験は、赤ちゃんのお世話だけではなさそうです。

(誰かの介護の時か?...)

でも、そんなことよりも、ぼくは丁寧に重ねられていくおむつの枚数を数えている内に、T字の重ね方のほうに興味が移りました。
横のおむつは120センチくらいのかなり長いのを2枚、そして縦のおむつは赤ちゃんサイズのものをただ重ねるんじゃなくて、縦に細く折り畳んだり、重ねる位置をずらしたりしながら、部分的に厚みを変えて全部で20枚くらい。しかも、悩まず手

早く、かなり手慣れた感じ...。

「はーい、おむつの準備はこれでいいわぁ...、あとはカバー...、あ、これでいいのかや」

おかみさんは、ぼくのカバンからおむつカバーを取り出して見せました。

「うん」

それは、いつも使っている『ニ◯キのおむつカバー』でした。クリーム色でホックがついてる定番品。

「でもこれ、かなり使い込んどるねぇ、柔らかくなっとる」

「...」

ぼくは、使い込んでるっていう言葉にちょっと恥ずかしさを感じました。もう、そんなに長いことおむつをあてているっていうことですよね。


「じゃぁ、このカバーさんにおむつを重ねてぇ、っと...、はぁい、できたー」

なんだかすごく楽しそうなおかみさん。
まるで、子供たちが里帰りでもしてきたっていう感じで浮き浮きしています、しかも、赤ちゃんが...。



「はい、それじゃあ、替えるでね...。ゆうやちゃん、足の力を抜いてぇ...、そうそう、広げてぇ...」

ぼくは、足をM字の形に大きく開きました。

「あー、やっぱり慣れとるわぁ...、そりゃ高校生になってもお母さんにおむつ替えてもらっとったんやもんなぁ、こうやって足を開いてくれると一番替えやすいわぁ...」

おかみさんは一旦立ち上がると、足を大きく開いたぼくの股の前に正座し直しました。

この位置だと、おかみさんの顔が開いた足の間の真正面に見えて、目線もばっちり合うし、...なんとも恥ずかしい。


「じゃあ、カバーのホック外すから」


♪ぽつっ...、プツッ...、ぷちん...


静かな部屋にホックの音が響きました。


(あぁ...)


なんとも恥ずかしい音です。おかみさんもとろけそうな笑顔で一つ一つホックを外しながら、


「ゆうやちゃん、なんだかすごく幸せそうな顔してぇ...。 この音?...、『ほらー、ここにおむつ交換されている赤ちゃんがいるよ~』って言われてるみたいやもんなぁ」

「...」


図星でした。おかみさんは、ぼくが考えていることは全てお見通しって感じ。もう、その音で体じゅうの力が抜けてタラーンとしてきます。実家の母さんに替えてもらってた時も、この音で全て観念、もうここからは赤ちゃんの気持ちに落ちていくサインみたいな...。


「はーい、じゃあ、カバーの前をめくるでね...。ぁーあ、びしょびしょ」

「...」

「カバーもこんなに濡れちゃってぇ...、あと少しで染み出てくるところだったやん、もー、おもらししたらすぐに言わんと」

「...」

おむつカバーの横羽根も左右に広げて、

「じゃあ、おむつも開くから...」

おかみさんは、腰に巻いたおむつを左右に開き、縦のおむつもゆっくり開いていきます。

(あぁ...)


お◯ん◯んの上にずっしりと重く被さっていたおむつがめくられると、すーっと風が入ってきて、開放感が気持ちいい...。

「あらー...。かわいい!」

「...」

「ちっちゃくて丸っこくて、赤ちゃんのお◯ん◯んみたい。それに...、毛がないし...。 あっ、ごめん、かわいいって、そういう言う意味じゃぁ...」

「いいよいいよ、ぼくのは小さいって。もう馴れてるし、おむつするにはちょうどいいでしょう...」

「ぁ、あ、ごめんな、その、そうだわな、ちょうどいいわな」

おかみさんは、ぼくが気を悪くしたんじゃないかってすまなそう...。

なので、ぼくはおどけて、

「あははー、ねっ、ちっちゃいのはぼくはお気に入りなんだからぁ、赤ちゃんみたいだし、おむつあてても中で据わりがいいんだ」

「あはっ、据わりがいいんね、そうだわなぁ、大きいとたいへん...。だけど、毛がないのも驚いたわぁ、剃ったん?」

「うん、おもらしでいつも毛が濡れてるでしょう、じゅくじゅくしててかぶれやすかったし...」

「そうなぁ」

「それに、毛がないほうが赤ちゃんみたいでかわいいかなって思って...、でも、何回もカミソリで剃ってたらすごく肌が荒れてきて真っ赤になっちゃってね...、カミソリはやめて脱毛クリーム塗ったら全部なくなっちゃったぁ。ツルツルでしょう」

「そ、そうね。赤ちゃんみたいやね...。ゆうやちゃんにはこのほうが似合うわぁ」

「うん」

おかみさんにはやっと笑顔が戻りました。

「ほんなら...、替えちゃおうね。よいしょっ、あんよ高い高~い」

おかみさんは、ぼくの両足を持って高く持ち上げました。赤ちゃんのおむつ替えのポーズです。

「はいっ、そのままね、ちょっと我慢してやぁ」

背中からでんぐり返りしそうなほど高く上げられた足。お尻の穴が天井を向いて、ものすごく恥ずかしいですが、これで気持ちは完全に赤ちゃんです。おかみさんは手早く濡れたおむつを引き出すと、代わりにきれいに重ねたおむつとカバーを敷き込みます。

「はい、下ろすでねー」

そっと足を下ろされました。お尻が柔らかい布おむつの上に沈み込みます。

(ぁあ...)

「楽にしてねー」

「ふぅーっ...」

ぼくも深呼吸。落ち着きました。

「はぁい、おりこうさん。足上げるのも楽でいいわぁ、うまくタイミング合わせて上げてくれたんね。さすが馴れとる」

ぼくは、実家で母さんにおむつを替えてもらってるように、おかみさんが足を上げるタイミングに無意識に合わせていたみたい...。


「さぁて、じゃあ、キレイキレイしようね。おしっこで蒸れ蒸れだったもんねぇ...」

おかみさんは、手桶を引き寄せ、中の手ぬぐいをもみだして絞りました。そして、ほくの股間のほうへ、


「ぁあ...」

「気持ちいいんね」

「うん...」

柔らかい木綿の感触。
熱くもなく冷たくもないちょうどいい温度です。人肌っていうんでしょうか。

(気持ちいい...)

そして、おへその辺りから内股からお尻から...、やさしく優しくていねいに拭いてくれます...。

「あっ」

「あ、ちょっとだから我慢してや...」

お◯ん◯んをつままれてビクッとするぼくをなだめながら、玉袋から根元そして先のほうまで、ほんとていねいに拭いてくれます。

(うっ...、やばっ)

お◯ん◯んの根元から先までゆっくり拭いてもらう内に、意に反して(?)ムクムクと元気になってきちゃったんです。

(あ、まずい...)

「あらあら、どうしたのかやぁここ...、なんだか固くなってきたみたいやん」

「...」

「ねっ、もう少しやから...、きれいキレイ...、あはっ」

ぼくのお◯ん◯んは完全に立ち上がってしまいました。

「あ、もう、恥ずかしいよぉ...」

「なーんも...。いいんよぉ男の子なんだから、元気な証拠やん、ほーら」

おかみさんは柔らかな手ぬぐいでぼくのお◯ん◯んを包んで...、ゆっくり往復運動を始めました。

「あっ...」

ぼくはもうたまりません。腰が浮きそうになってきます。

「あっ、そ、そんな...」

「ん?、どうしたのかやぁ?」


強烈な刺激にぼくのお◯ん◯んが反応します。手ぬぐいが往復するたびに、腰の方から股間のほうへ湧き上がるエスカレーション、先端が熱くなってきました。

「で、でちゃうよぉ」

「いいんよ、してごらん。おむつの上なんやし、赤ちゃんは何をしてもいいんよぉ、ほーら」

「あ、うっ...」

先端がかなりにゅるにゅるになってきました。でも、やさしい往復運動は止まるどころか、握り方を弱めたり強めたりと.

..。

「あー、何か少し垂れてきたかや、ほらぁ」

「ぁっ、あ、で、出るっ」

(...ぁ)

「あっ...、ビューっだって...」



出ちゃいました。

おかみさんは、手ぬぐいの往復運動を止めてしばらくお◯ん◯んを握ったまま微笑んでいます。



ぼくは、まだ息が静まりません。こんな展開になるとは...。でも、...(嬉しかったりして)。



「...でちゃったね。おむつの上で...」

「...」

「でも、素直ないい子だわぁ...、うちに顔出してもらうようになってから...、あ、もう2年くらいになるわな、洗濯物を預けに来てもらうたびに気になってたんよ、この子あんまり元気そうやないなって」

「そう...」

「おむつのことはなんとなく...そうかなって思ってたんやけど、他にどこか悪いんやないかって心配してた。でも、大丈夫そうでよかったわぁ」

「えっ、わかるの?」

「わかるわぁ、ここ、こんなに元気やろ、あははー」

「ぁ、あ、そうね」

おかみさんは、しぼみかけたぼくのお◯ん◯んをなでながら笑います。


「まあ、ここも大事やけどなぁ...、こんなことしてかなり息が荒れても脈はしっかりしてるわ」

(脈?...)

「それに、ゆうやちゃんのおなかの張りや肌の艶、お尻の穴や内股の体温なんかもすごくいいわな。替えてやったおむつのおしっこ、きれいな色や匂いやったし、他には手の平や爪の色とか、今日は触診できてよかったわ、安心した」

「えっ?、なんでそんなことで大丈夫だってわかるの?」

「実はな、あたしは若いころ看護婦をやってたんよ。もう30年も前やけど、嫁入りしてこの店を手伝う前のことだけんどな」

「ふーん...」

「だもんで、こうやって直接触れば大抵のことはわかるんよ。頭でっかちのヤブ医者なんかよりよっぽど当たるでぇ、あははぁ...」

「そうなんだ、それでいろいろしてくれたんだね」

「あはっ、このお◯ん◯んがあんまりかわいかったから、ちょっとイタズラしたくなったのもあるけどな、あはは~」


おかみさんは照れ笑いしてましたが、ぼくはすごくうれしくなりました。
これまで、この店に何回か立ち寄っては雑談とかしてましたが、ぼく自身は単なる暇つぶしくらいにしか考えていなかった

のに、おかみさんはぼくの体のことを気にかけてくれてたんですね。

見守られてたっていうか、独りぼっちじゃなかったんだって、すごくあったかい気持ちになったんです。



~~『クリーニング屋さん(4)』に続く

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
このストーリーはフィクションです。
登場する団体・名称・人物は全て架空のものです。

ぼくの日常風景?:『クリーニング屋さん(2)』をアップします。



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  『クリーニング屋さん(2)』

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折り畳まれて15cm角くらいなっていたものの、それはどう見ても布おむつでした。

(...)

ぼくが固まっていると、

「他の人のが混ざったのかもしれんけど...」

「...」

「ぁ、あ、そっか、やっぱり他の人のやな、ごめんな」

ぼくはどうしようかと考えました。でも、おかみさんは、ぼくの腰やお尻の辺りに視線を向けて...。

ぼくは、もう隠しきれませんでした。

「あのぉ...、それ、ぼくので...」

「...」

今度は、おかみさんが黙ってしまいました。

「ごめんなさい、変なもの混ぜちゃって」

「ぁ、あ、い、いいんよ、洗っておいたで...」


そう言えば、今回は冬物の衣類をまとめて洗濯に出したんですが、部屋の衣類カゴに入れてあったものをよく確認せずにまとめて持ち込んじゃったんですね。


「あ、あ、これ、食べりん、まだあるで」


おかみさんは、固まった空気をほぐすようににっこり。
そして爪楊枝を果肉に刺して、ぼくに持たせたました。

「あ、ども...」

ぼくがまた食べ始めると...、

「でも...、鈴木さんの洗濯もんから『おむつ』が出てきた時は...」

(うっ)

ストレートに『おむつ』って言われてしまいました。

「確か、まだ独りもんだし、赤ちゃんもおらんのに、ってな」

「...」

「でも、どこか体でも悪いのかや?、元気そうに見えるけど」

ぼくは、もう観念しました。それがおかみさんじゃなかったら、ウエスとか雑巾にするとかって適当に嘘ついて突っぱねてもよかったんですけど、なんだかすごく心配そうな顔して言うので、

「...そのぉ、ちょっと...、漏れるんで」

「...そう」

「うん、いつも使ってて...」

「そっかぁ...、やっぱりな」

「えっ?」


ぼくは思わず声が高まってしまいました。


「そうかなって思ったんよ。そのまん丸なお尻、だいぶ前から気になってて...」

「えーっ」

「そりゃ見ればわかるわぁ、鈴木さんは全体にほっそりしてんのにお尻だけすごく大きく膨らんで...、歩き方だって少しヨチヨチしてて、おむつあててるって思ったわ」

(あちゃー...)

やっぱり、ばれてたんですね。

「もう長いこと?、それか、何か病気か事故で?」

「うん...、特に病気とかじゃなくて...」

「ぁ、あ、悪かったね、立ち入った話ししちゃって。そりゃ中にはいるわな。でも、たいへんな、つらいわなぁ」

「うん...」

さすがに『ぼくはおむつが好きで...』とは言えませんでした。


「やけど、夜だけっていうわけでもないんね。昼間もおむつって...」

「うん、実は、まだぼく、おねしょなんで...、夜は必ずあてて寝るし、昼間もね、出るかなって思ってからトイレに間に合わないことが多くて...、おむつがないと」

「そうなんね。それはつらいわなぁ」

「うん...。中学の時なんか、さすがに母さんが心配して、病院に何軒も行ったけど...、だめだった」

「そりゃ心配するわ」

「うん、徐々に回数が減ってきたのは高校に入ったくらいかなぁ...、卒業する頃にはほとんどしなくなって...」

「それまでずっとおむつを?」

「うん、夜は風呂上がりに布団の上におむつが広げてあって、母さんがおむつあててくれて...」

「あら~、高校生になってもお母さんにおむつを...、たいへんだったんね。お母さんもご苦労されて...」

おかみさんは、また柱時計のほうを少し見上げて、何か回想しているようにも見えましたが...、さっとフルーツのほうに目を向けて、

「あっ、あ、ほらまだあるわ。大きいから食べでがあるわなぁ」

「うん、じゃもう1つ」

「1つじゃなくて、全部食べりん。うちは他に食べるもんはおらんし...」


そうなんですね。
旦那さんも、もう何年も前に亡くしてるし...、子供達も卒業と共に出て行ってしまって寂しそうです。


「でもなぁ...」

「ん?」

「おねしょは高校卒業の頃にはしなくなったんよね。昼間のおむつはもっと早くに取れたんじゃ」

(うっ)

急に話が復活しました。

「でも今は、おむつしてるんねぇ...、夜も昼も」

「ぁ、あ、そう。たまに失敗してたけど、中学の頃からは昼間のおむつは取れて...。それからね、高校卒業して、専門学校に入って、あ、自動車整備士の資格を取るコースで...」

「へー、なんだかかっこいいじゃない」

「うん、整備士はぼくの夢、っていうと大袈裟だけどね、でもなりたかったんだ」

「いいわなぁ、夢があって」

「うん、そして、アパートで独り暮らしを始めたんだ」

「高校卒業してすぐ?、18歳だわな、独りで...」

「うん...」

「生活は全部独りでやらなぁあかんから大変だったんじゃない?」

「それは大丈夫だったよ。自炊もやってたし、洗濯も掃除も」

「へー、えらいんねぇ、うちの孝夫なんか絶対できんわ」

「でも...、入学から1週間くらい経って、それまでほとんどしなくなっていたおねしょが復活しちゃって、そのうち毎晩になっちゃった。夜もなかなか寝付けなくて、眠ったと思ったら実家にいる夢ばかり見て...」

「よっぽど寂しかったんねぇ、独りで」

「たぶん...。それで、おむつを...、それからなんとなくずっと...」

「そっかぁ、おねしょでおむつを...」

「うん」

「でも、昼間のおむつは?」

「あ、うん...、毎晩おむつをあてて寝るようになって、そのぉ、安心するっていうか、母さんと一緒にいるみたいな感じで...。おもらしするとかしないかじゃなくて、お尻の包まれ感とか...」

「そう...」

「でね、休みの日とか、昼間もおむつを当ててみると、すごく落ち着く感じがして...。あ、始めのうちはおもらししなかったよ、おむつしてるだけで幸せで」

「そうなんねぇ...、それで昼間も」

「うん...、それからは、もう1日の中でおむつしてる時間のほうがどんどん長くなっちゃった。始めの頃は昼間はおしっこしたくなるとおむつを外してトイレに行ってたけど、その内『おむつしてるんだし』って安心しておもらしを始めて、毎回おむつの中に」

「あらあら...」

「そうやっている内に、我慢できる時間が徐々に短くなっちゃったみたい...。『おしっこ?』って思ったら、すぐにおむつが濡れてくるように...」

「...なるわなぁ、せっかくお母さんが高校卒業までにトイレトレーニングしてくれたんに、独り暮らしを始めて、『逆トレーニング』しちゃったんね。もしかして、哺乳瓶とか持ってたりして」

「...」

ぼくは、うつ向きながら、コクリとうなずきました。

「あらー、そりゃもう完全な『赤ちゃん返り』だわ」

「...」

ぼくは反論できませんでした。おかみさんは、

「だったら言ってくれればよかたんに...」

「それは、さすがに」

「まあ、そうなぁ、言うのは恥ずかしいわな、大人になっても昼間のおむつがとれないなんて。それに、赤ちゃん返りなんて余計にな」

「...」

「それで、おむつはどうしたの?」

「あ、元々、夜の心配もあったから、実家から持ってきてた分が少しだけあって...。でも、おもらしの回数が増えると全然足りなくなって母さんに電話したの。またおねしょが始まっちゃったって。そしたら、すぐに大きな段ボール箱が2つも届いたんだよ。中には、おむつがぎっしり、それに漢方薬とか腹巻きとかも入ってて」

「それはなぁ...、お母さんに『完全に治し切れなくてごめんね』っていう気持ちがあったんよ、きっと」

「そうかなぁ」

「ほりゃそうだって、親だったらそう考えるわ。でも本当は一度治ったのに、あんた自身が『赤ちゃん返り』させちゃった

んよなぁ...」



ぼくは、結局全部話してしまいました。名前も住所も全部知られている近所のお店のおかみさんにね。
でも、なんだか気持ちが楽になりました。

おかみさんも初めは心配顔で聞いてましたが、徐々にやさしい笑顔に。

「そう...、でも、話してくれてありがとな...。それじゃぁ、これからはもっと気楽に遊びにおいでん。話しならなんぼでも聞いてやれるわ」

「えっ、そう?、うれしい!」

ぼくは、親元を離れてなんとなく鬱になっていたのが、一気に晴れたような気分になりました。



~~『クリーニング屋さん(3)』に続く

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
このストーリーはフィクションです。
登場する団体・名称・人物は全て架空のものです。

ぼくの日常風景?: 『クリーニング屋さん(1)』



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  『クリーニング屋さん(1)』

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ぼくは、夕方の買い物で混み合うショッピングセンターの食料品売り場でカップラーメンを買い込んでから...。

(そういえば、預けてあったんだよなぁ...、え~と...)

ぼくは財布を探り、中に挟んだ紙を取り出しました。
クリーニング屋さんの預かり伝票がクシャクシャになっています。

(あ、これこれ)

仕上がり予定日からもう2週間もたっていて、今回引き取らないとまた1週間先になるところ。

(でも、間に合うか?)

時計を見ると、もう6時55分

(確か店は7時で閉店だったよな)

辺りも薄暗くなってきた時分です。ぼくは、駆け出しました。

クリーニング店についたのは閉店2分前、とりあえずまだやってました。


「あら、鈴木さん、いらっしゃい、今閉めようと思ってたんよ」

「あ、ど、ども、間に合った...、ふぅー...(うっ)」

まだ少し息が切れてます。でもそれよりも、股間が...、

(あーあ、また出ちゃったぁ...。ま、いっかぁ後で)


「あら、どうしたの固まってぇ...。それにしても、そんなにあわててなくても。電話くれれば裏から入れてあげたんに」

「あ、そ、そうだよね、あはは...」


この店のおかみさんとは、もう2年も通っているので、すっかり顔なじみになっています。
ぼくの母親と同じくらいの年の感じで、少しお国なまりのある話し方も堅苦しくないし、割烹着姿が自然になじんでなんとも親しみがもてます。
実際、クリーニングだけじゃなくて、ボタンの取れたのとか、生地のほつれなんかも直してくれるお母さんみたいな存在で、ぼくもいつの間にか頼ってたりして...。


「じゃあ、とりあえず閉めるわ」

おかみさんは、サンダルをはいてカウンターから出てくると、店の表のシャッターをガラガラ下ろし始めました。

「あ、ぼくがやるよ。けっこう力いるでしょう」

「あ、悪いねぇ。最近肩が痛くてね、上がらないんよ」

ぼくは、おかみさんから、シャッターのハンドルを引き継ぐと一気に下ろしました。そして、隣のもう一枚のシャッターもハンドルを引っ掛けてガラガラ下ろします。


「ありがとね、ほんと助かるわぁ」

「あ、いいよ、こんなことくらい。それより、肩、そんなに痛むの?」

「そう、特にこっち、ほら、ここまでしか上がらんの」

おかみさんは、左腕を横に伸ばしてから上げようとして、

「あたたっ」

「わかった、わかった、無理しないで」

「なっ、四十肩だわ、あ違った、五十肩かぁ、あはは」

「もー...。この前は腰が痛いって言ってたけど、気をつけないと」

「そうなぁ、そろそろあちこちガタがくる歳だわ...。あ、ちょっと待ってな...」


おかみさんは、何か思いついたように一人でうなずくと、カウンターから店の奥のほうに入って行って...、しばらくすると紙袋と大きめの皿と包丁を持って出てきました。


(なんだろう...?)

「ほら、これ」

おかみさんが紙袋から取り出したのは見たこともない果物。

「えっ?」

「うちの娘が嫁いだ先が温室栽培やっててな、もらいもんだけど食べてみようかね?」

「あ、順子さんでしょう、確か九州のほうの農家に」

「そうなんよ、なんでも、旦那が南国の珍しい果物を専門にやってて、毎月のようにいろいろ送ってくるんだわ」

「へー」

「でもなぁ、中には、どうやって食べたらいいのかわからんのもあるわ。これなんか、届いた時にはどうしょうかって」

「だよねぇ...」


ぼくは、その赤と白の鮮やかな塊を前に、確かにこれは食べ方の想像がつかないな...、と。

「まあ、さっき電話で聞いたから食べ方はわかったで、とりあえず切ってみっか...」

おかみさんは、その果物を大きな皿の上に置きました。

「そういえば、『たかちゃん』どうしてる?、この春に東京の会社に入ったんだよね。一流企業はうらやましいなぁ」

「そう、孝夫なぁ、あの子も行ったきり電話もろくによこさんのよ。会社の寮だから、まあ食べて寝る分には心配いらんみたいやけど...、でも、電話くらいなぁ」

おかみさんは、店の奥にある古い柱時計を見上げて、ため息をつきました。
電話、電話って繰り返すところを見ると、きっと寂しいんでしょうね。

(一姫二太郎の姉弟だったんだもんな...)


「ま、そんなことはどーでも、さて、切るで」

「うん」

「あれ、意外とほら、簡単に切れるわ。もっと固いのかと思ってた」

「うわ、きれい!、中は白いんだ」

「そうな、ほれ、このくらいで...、はいっ」

果肉を3センチ角くらいに切って、爪楊枝を立ててくれました。

「じゃ、いただきまーす」

「味は知らんけど...」おかみさんは笑っています。

「あっ、甘い!、すごいね、すごく美味しいよ、もう一つ」

「あ、そう、よかったぁ。じゃあ、どんどん食べりん、たくさんあるでね。あたしもひとつ...、あ、確かに...、う

ん甘いわ。それにしても見た目からはちょっと想像つかん味やね」

「そうだよね、パイナップルみたいな味かなって思ったけど、これ、なんていうか...、メロンと洋梨を足して2で割っ

たような...」

「うん、確かに。でも良かった、鈴木さんに喜んでもらって」

「うん、ぼくこんなの初めてだし」

「あたしもな。これ『ドラゴンフルーツ』って言うらしいわ。見た目はちょっと引いてまうけど、食べるとうまいわな」

「そうだね、おもしろいね、こういうの」

「そうなぁ、外見からはなかなかわからないこともあるってことだわ...」



ぼくは、その甘い果物を食べるのに夢中で、おかみさんが何か言いたそうなことに気付いてませんでした。

「でな...、ちょっと」

「なに?」

おかみさんは少し言いにくそうに、

「預かった洗濯物の中に混ざってたんやけど...」

「えっ?」

おかみさんがそぉっと差し出したのは白い布。

(...)

柔らかそうな生地に青いプリントでバンビちゃんの柄が入っていました。

(うっ...)


~~『クリーニング屋さん(2)』に続く

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
このストーリーはフィクションです。
登場する団体・名称・人物は全て架空のものです。

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