ぼくはトラック運転手さんでちゅ(第14話)

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『ぼくはトラック運転手さんでちゅ』
 「第14話.なほちゃんの部屋も?..」
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二人は手をつないだまま、その家に近づきました。
(でも、待てよ...)ぼくは、なほちゃんの両親とか出てきたらどうしようと。


「あ、あのさ、もうそろそろこのへんで...」とぼくは動揺しながら言いました。
「え、もうすぐだよー。いいよ家まで来ても」となほちゃん。
「あ、いや、そのぅ...家の人とかいるんでしょ?」
なほちゃんは、くすっと笑って、
「だいじょうぶ。今日はみんな出かけてて留守だから。心配しないで」
ぼくは、ほっとしました。
「心配した?」
「うん、ちょっとね」とぼくは正直に言いました。
なほちゃんは、また、くすっと笑いながら、
「今日はね、お姉ちゃんは友達のとこ遊びに行ってて帰ってこないし、お母さんも婦人会の行事でいないの」
「だから、だいじょうぶ。なほの部屋も見せてあげる」
「えっ?」ぼくはこんなに簡単に女の子の部屋に入るチャンスがくるなんて思ってもみませんでした。
家から少し離れたところでバイバイ、ってことになるんだろうなって思ってましたから。


「ここだよー。なほの家」
「うん...」ぼくは緊張ぎみ。
門の表札には堂々とした書体で「河井」って書いてあります。
なほちゃんは庭の小さな門を開けながら、なんだかうれしそう。庭石を踏んで玄関へ。
なほちゃんはバッグから鍵を取り出してロックを解除しました。
「どうぞー」とドアを開けながら言いました。
「う、うん」とぼくは緊張でガチガチになっています。
「どうぞ、いいよ入って」となほちゃんはあいかわらずニコニコ顔。


「おっ、おじゃましまーす」とぼく。
「あはっ。ゆうやくんってまじめなんだぁー」
「だれもいないんだから、いいの、そんなに堅くならなくって」
なほちゃんは、靴をそろえて、廊下のほうへ。
「ゆうやくん、こっちよこっちー」
ぼくも、緊張したままついていきます。
そして、階段を上がって2階へ。


「ここよ、ここが『なほの部屋』。」
なほちゃんは、ドアを開けて中へ。
「どうぞ」
ぼくは、廊下から恐る恐るそのドアの中をのぞきこみました。カーテンが閉まっているせいで薄暗いその部屋。ぼくは女の子の部屋っていうのを見たことがなかったのでドキドキです。
そして、すぐに部屋が明るくなりました。なほちゃんが、部屋の灯かりをつけたんです。
廊下から少し見えるその中は、薄いクリーム色の壁紙が貼られた清潔そうな部屋。いかにも女の子の部屋っていう清楚な感じ。
「どうぞ。入ってもいいよ」となほちゃんが促します。
「うん」。


ぼくは部屋の中に入りました。廊下から見えなかった部屋の隅々の様子が目に飛び込んできます。
そして、かすかに甘酸っぱいにおいも少し...。


(えぇっ?...ちょっと...)


そこには普通の女の子の部屋にはたぶんないんだろうというモノが...。


最初に目に入るのは、2セットの回転式の物干しにかかったたくさんの洗濯物。
そう、『おむつ』です。
バンビさんやくまさん、わんちゃんやねこちゃんのプリント柄の布おむつと、ピンクやクリームや水色のおむつカバーがたくさんかかっています。
特に、おむつカバーは赤ちゃん用とは明らかに違う大きさ。一目で大人サイズだってアピールしています。
そして、たくさんのぬいぐるみと、傍らにはかわいらしいベビーたんす。
部屋の隅にも、おむつカバーとおむつがたたんで置いてあるし、紙おむつも2袋。壁のハンガーにはロンパースだってかかってる。
そして、さらによく観察すると、ちいさなテーブルに置いてあるのは哺乳瓶と粉ミルクの缶...。


「ねっ、かわいいでしょー、なほの部屋」と言いながらカーテンを開けました。
「...」
「わかったぁ?」となほちゃんはいたずらっぽく言いました。
「う、うん...」とぼくが口に出せないでいると、
「なほの部屋もね...ゆうやくんとおんなじなの...赤ちゃんの...」


ぼくは、多少期待してなかったわけではありませんが、なほちゃんが部屋がこれほどストレートに赤ちゃんしてるとは思ってもみませんでした。
「ねっ、かわいいでしょー」
「このロンパースもなほのだよー」となほちゃんはうれしそう。
まるで誰かに見せたかったのかなっていう感じ。
「ロンパースって、ね、ほら、こうやってこの前がホックであくの。おむつ替えるとき便利なのよねー」となほちゃんはわざわざ開いて見せます。
「うん、うん。」ぼくは改めて言われると、目のやり場に困りました。
「ね、ね、このたんす見て見てぇ。キティちゃんのたんす。大好きなのキティちゃん」
「...」
なほちゃんは引き出しを開けてみせました。
「ね、これ、みーんななほのだよ」
そこにも、ピンクやクリーム色のおむつカバーがたくさん。ひよこさんやアヒルさんの動物柄のかわいいのばかり。
下の段を開けると、布おむつがびっしり入っています。
「す、すごいね」とぼくは次々に出てくる赤ちゃん用品をあっけにとられて見ていました。
(ぼ、ぼくよりすごい...)
「うん、たくさんあるの。だって、なほが赤ちゃんのときからずっとだから、ずいぶんたまっちゃって」


「ねえねえ、こっちも」
なほちゃんは、横の押し入れを開けると、下の段の収納箱を指差しました。
箱を開けると、またまたたくさんのおむつカバー。こんどはかなり小さい...(っていうか、これがふつうの赤ちゃん用)。
「ねー、かわいいでしょー」となほちゃんは言って一枚取り出してぼくにわたしてくれました。
「これね、なほが赤ちゃんの時に使っていたおむつカバーだよ」
「...」
「ね、ちっちやいでしょー」
「うん、すごくかわいいね。これが本当の赤ちゃん用なんだぁ...」
と、ぼくはそのおむつカバーを手に取って、かすかに残っている記憶と照らし合わせながらぼんやりながめていました。
(ぼくのは、もう残ってないなぁ...)と、ぼんやりと感傷にひたっていると、
「ゆうやくん?...ねえ、ゆうやくん」
「えっ?」
ぼくははっとして顔を上げると、にこにこ顔のなほちゃんが、さらに1枚手に取りながら言いました。
「ゆうやくん。なんだかぼんやりしてたよ」
「うん、ぼくもむかしのこと思い出してた...」
「どんな?」
ぼくは、数年前に実家で偶然古いダンボール箱から出てきたたくさんのおむつカバーのことを話しました。
『あれぇー、これゆうやのやん。むかしはかわいかったんよ...でも、もういらんねぇ』って、母にあっさり捨てられてしまったこと。
「ふーん、捨てられちゃったんだぁ。もったいないね」となほちゃんもしんみり。
「そっかー、ゆうやくんは一度おむつを卒業したんだよねー。普通はそう、なほみたいにずっとおむつしてるほうが...」
「あ、いや、そんなこと。ぼくだって今はおむつだし。おむつしててもいいじゃん」
ぼくは、ちょっとしんみりしてきた雰囲気から方向転換しようと、手に持ったおむつカバーのホックをはずしながら、
「やっぱ、むかしのって、内側がビニール貼りだったんだよね。だから、なんだかすごく甘酸っぱいにおいがするんだ」
「うん、そうよね。すっごく、こう、ビニールのにおい。ゆうやくんのもこんな感じだったぁ?」
(...でも、なんだか、これ、おしっこのにおいも...)
「うん。ぼくのも、内側はビニールだったよ。だから、暑いときなんか、おしっこしてなくても、汗でびしょびしょになってた」
(そっかぁー、このにおいかぁ...)
(この、ビニールとおしっこの混ざったような独特のにおい...)
ぼくは、この部屋に入ったときの、かすかに甘酸っぱいにおいが、これだったんだと納得しつつ、とっても癒された気持ちになりました。


「そうよねー。最近は、通気性いいし、夏でもなんとか使えるし、冬は暖かくて好きっ!」なほちゃんは、妙に強調して言いました。
ぼくは、改めて、なほちゃんが今でも普通におむつを使ってるってことを意識してドキドキしてきました。
そして、すぐ横にかかった室内用の物干しに目がいきました。
「そういえば、なほちゃんが今使ってるのは、どんな...」
ぼくは、ちょっといたずらっぽく、そのたくさんかかったおむつカバーをめくってみました。
「いやーん、はずかしいってばー」とあわてるなほちゃん。
「ごめんごめん。なんだか、急に見たくなっちゃって」
「でも、ここのおむつカバーほとんど最近の通気性のいいやつだけど、これだけビニール貼りだね」
「いやーん。...それはね、それは特別なの」なほちゃんは顔を赤らめながら、
「特別?」
ぼくはすぐに察しました。わざわざ通気性の悪いおむつカバーが1枚だけあるってことは...。
でも、なほちゃんがなんて答えるか、じらすように観察していました。
「もー、ゆうやくんのいじわるぅー」
「...」
「それはね、その、一人で遊ぶ時にね...するの」
「一人で?」
「...だ、だってぇー、ビニール貼りのほうが、ね、」
「ビニール貼りのほうが?」とぼくは追い込みます(...かなりいじわるです)。
「...感じる...でしょ...」もうなほちゃんの顔は火が出るくらい真っ赤です。
ぼくはそこまでで許してあげました。
「うん、わかるよ。ぼくもそうだから。」
「でも、ほんとに、なほちゃんの部屋も赤ちゃんの部屋って感じだね。哺乳瓶もあるし。」
なほちゃんもほっとしたように、
「うん。これでミルク飲むとなんだか落ち着くの」
「だーよね、ねんねして、哺乳瓶ちゅーちゅーすると、ほんとの赤ちゃんみたいで」とぼくはおどけて言いました。
「そうよねー」となほちゃんもうなづきます。


「ねっ。なほの部屋もおんなじでしょー、ゆうやくんの部屋と」
「うん」
「だから、ゆうやくんの部屋に行ったときもあんまり驚かなかったの。なほとおんなじなんだぁって思って」
「そうだったんだぁ」ぼくは改めて納得しました。
「でも、家の人は驚かないの。こんな...」とぼくが言いかけると、
「赤ちゃんの部屋だって? 驚かないよ、知ってるもん」となほちゃんは平然と。
「だって、なほはずっと小さいときからおむつとれなかったし、いつも家の中では赤ちゃんみたいにしてるから」
「それに、夜は今でもお母さんがおむつあててくれるもん」
「えー、お母さんがおむつをー...いいなぁ、なほちゃんは」とぼくはうらやましそうに言いました。
「なんでー」
「だって、ぼくは、おむつで遊んでることは親には内緒だし、友達にも誰にも言ったことないんだ。」
「そっかー、じゃぁ、内緒のお部屋ね。ゆうやくんの部屋は」
「うん。だからうらやましいよ。」
「ふーん、だったら、これからもなほがゆうやくんのママになってあげるね」
「えっ、いいの」
「うん、いいよー。なほがゆうやくんのママ」
「おむつもいっぱいあててあげるねー」
「やったー!!!」とぼくは飛び上がらんばかりでした。
なほちゃんもうれしそうです。


ふと時計を見ると、4時50分。
「や、やべっ」とぼくが急に言うもんだからなほちゃんもビクッとしました。
「えっ?」
「ご、ごめんね。会社の時間が...」
「え?何時に行くの」
「5時」とぼく。
「えーもうすぐだよー」
「ごめんね、もういかなきゃ。ごめん」
「早く行ったほうがいいよ。なほはいいから」
「そ、そうだね」
ぼくはあわてながら、でも、もっとここにいたい気持ちでした。
「早くー。ゆうやくんの大切なお仕事でしょ。なほは、そうやって一生懸命にはたらくゆうやくんも好きなんだから」
「ね、遅れるから。また今度遊びに行くから、ね」
なほちゃんはまるで子供を諭すようにいいました。
ぼくは未練を残しながらあわてて階段を降り、なほちゃんの家を飛び出しました。
そしてダッシュで会社へ。
(ばかだなぁー、なんで、ほんとのこと言っちゃうんだろ。もっと居たかったのに...)
風邪引いたとかなんとか電話して休めばよかった...と思いながら。


息せき切って会社に着いて、ぎりぎりセーフ。
運行主任があきれた顔して待ってました。
「おいおい、鈴木君、今日も駆け込みかぁ」
「す、すいません...」
「早く、運行計画書確認して、ルートチェックしとけよ」
「はいっ!」


始業の点呼が終わって、停めているトラックに向かう途中、
「あっ!」
(しまった、ケータイの番号...聞いてない...なほちゃんの)
あんまり慌てて飛び出してきたので、なほちゃんの連絡先を聞いてなかったんです。
(ばかだなー...)
ぼくは、なんとも暗い気持ちで始業点検を済ませて出発しました。

~~~『ぼくはトラック運転手さんでちゅ(第15話)』に続く

このストーリーはフィクションです。
登場施設名称、人物、等は全て架空の内容となります。

コメント

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タックンコメントありがとう

タックンコメントありがとう

ぼくも、今年、タックンと知り合えてよかったです。ほんと、「おむつの輪」が広まっていきますね。
今年ももよろしくおねがいします。

桃太郎さん訪問有難う

ゆうやさん、こんばんわ。いよいよ今年も暮れ押迫りましたね。今年、ゆうやさんと知り合えて、よかったです。新しい年もお互いに努力して、良い年にしましょうね。 桃太郎さんのページに訪問して頂き有難う御座います。またひとつ「おむつの輪」が広まりましたね。僕は、ゆうやさんが桃さんページ知っているもんだと思っていましたよ。意外と知らない事に驚きました。タックンは夏過ぎ位から日課にしていました。ゆうやさんもお互いのリンク貼りをしてくださいね。タックンも「輪」が広まるの期待しますよ。 今年一年有難う、来年もよろしくおねがいいたします。ゆうやさんへタックン。

みきおさん、コメントありがとう。

風邪治ってよかったですね。

みきおさんのブログも写真豊富で楽しいですね。
これからもよろしくお願いします。

ゆうやさん はじめまして!
みきおです。
風邪で寝込んでいる時に
ブログのコメントいただき
ありがとう!
元気になったので、ごあいさつです。
これからも よろしく!

タックンコメントありがとう

タックンのブログもいつも楽しく見せてもらってますよ。
ぼくは最近写真がなかなか増えないので、載せられないですが(恥ずかしすぎる写真はあるんですが...)、タックンのは順調ですね。
お互い、気負わずに続けましょう。

ゆうやさん、こんにちわ、、訪問有難う御座います。素直な気持ちあてたくなる。そのまままたいで、そんな素晴らしい表現、感想ありがとうございます。風邪など流行っています。仕事柄各地飛び回っている「ゆうやさん」だから注意してね。濡れたら早めの交換を、、、ね。

あつこさん、コメントありがとう

ほんと、ビニール貼りのおむつカバーって、なんともいえない 『いいにおい』 がしますよね。
ビニールだけじゃなくて、少しおしっこのにおいが混ざったような独特のにおいが、なんだか気持ちを高めてくれるんです。
(ぼくもちょっと変? ...笑)


感触も少し厚ぼったい感じで、いかにもおむつカバーっていうのが懐かしい。
『オムツカバー』じゃなくて『おむつカバー』っていうイメージです。
(ぼくのこだわりの表現です)


確かにかなり蒸れるので、肌の弱い赤ちゃんにはつらいし、いやがりますよね。
(ぼくは、いやがりません...って、うるさいって? 笑)
すぐにおむつかぶれになっちゃうし、むかしのお母さんはたいへんだったんでしょう。

最近はサラサラの紙おむつで赤ちゃん快適。
それはそれで時代の進歩なんでしょうけど、ぼくにはなんだかさみしい感じがします。
肌にまとわりつく強烈な感触とビニールのにおいを知らないで育った赤ちゃんたちは、おむつへの郷愁が残りにくくなってるんじゃないでしょうか。

おむつカバーのにおい

むかしの赤ちゃんのおむつカバーを広げてのふたりの会話がとてもいいですね。私も本物の赤ちゃんのおむつカバーを見ながら、さわりながら、ラフにおむつカバーのお話をしてみたいな。ふたりでビニールのおむつカバーを懐かしみにおいをかいだり、じかにあててみたりしたいな。本当にむかし私たちが見た赤ちゃんのビニールのおむつカバーは懐かしい思い出です。オシッコやうんちをやさしく包み込み、そとに漏れないビニールのおむつカバー、蒸れちゃうから当時のママ達にきらわれたのかな。
プロフィール

甘えん坊のゆうや

Author:甘えん坊のゆうや
ようこそ!
ぼくは大型トラックの運転手です。普通とちょっと違うのは、大きな赤ちゃんってことだけ。いつもおむつしてるんだよ~(笑)。
This is Adultbaby diaper (Omutsu) site.

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